Saturday, November 21, 2009

9 ロンドン地下鉄・バスの謎

 いつも、みずほさんのエッセイを読んで、ロンドン暮らしはきままでいいわね、と思ってるあ・な・た。そんなあなたに、ロンドン暮らしの悲哀もあるのよ、ということで、今回・次回は練りに練りこんだネタを。。。。ちよっとネガティブにいってみます。ま、わたしはいつもポジティブなんだけどね?
 ロンドンの地下鉄(Underground)は「Tube チューブ」と呼ばれています。かたちが筒のようだからでしょうか。Subway はアメリカ語です。ロンドンでこういうと、地下道になります。ご存知のように、路線により、名前がつけられており、色分けでわかりやすくなっています。
 でも。
 ホントよく遅れるの。遅れるのは突然止まるから。なぜ止まるのか?止まる理由はいぃっぱいあります。
「電力不足のため」
「脱線したため」
「前の車両がつかえているため」
「ひとがはさまったため」 ?
「ドアにひとがもたれているため」 ??
 わたしの利用する線は新しい機材?を使っているんで、ちよっとのもたれでも動かなくなるんよ。ドアにもたれんといてね!くれぐれも。ほこりで汚いしね。一応なんで止まってるんか、という説明の社内アナウンスをするのですが、ようわからんときが多い。
 行き先なんてあってないようなもんさ。これ、バスに多いです。
 ちゃんと行き先確認してから乗らんと。途中で「All change!」「Terminate here!」で終わっちゃう。で、降ろされて次のバスを延々待つはめに。ああ~さむう。
 乗ってから行き先変わることもしばしば。
「あ~みなさま、この列車はホワイトチャペル行きのはずでしたが、都合により、リバプールストリート行きとなります」
 ごめん、のひとこともない。お急ぎのところ恐れ入りますもない。ト~ゼンのように変更がなされる。全然、線が、違うんですのよ。緑のディストリクト線と思ってたら黄色のサークル線になっちゃうの。ど~いうこっちゃ?
 そのアナウンスを聞いたとたん、ちゃんとヒアリングのできたひとは慌てふためいて閉まりかけのドアと格闘しもって、やっとこさ降りる。やれやれ、ごくろうさん。
「え~みなさま、次の◎◎駅はエレベータが故障のため、クローズしております。XXへ行かれる方はここで乗り換えください」
 こら、ドアの閉まる直前に言うなよ、あせるがな。ガチャ・コン。
 エレベータというのはイギリスではリフト。リフトしかない駅も多く、リフトが動かないと、階段でえんえん127段とか、地上まで上がらないといけないこともあります。エエ運動になるけど。
 バスの時間はあるようでないようなもの。特に日曜・祝祭日がひどい。
 平日は5~8分おき。(7時12分、20分、28分とか、時刻表があるわけではないのですよ。何分もしくは、何~何分おき)この、「~」っつうのが微妙なとこだっせ。はい。12分、なんて書いてもぜえったいにそんな時間に来ないもの。だめなことははじめからわかってんのね。ま、できないことを言うひとより、はじめからできませんと言う、それだけえらいか??
 で、日・祝日は20分おき。20分おきぃ?で、もう30分以上待ってんだけど、わたし。来ないのよ。となりのおばあちゃんもいらいらしてる。彼女はもう1時間待ってるって。すごい。人生の修行年数の違いか?!
 ああ、来た来た。やあっと。来た。
 ほら、おばあちゃん、来ましたよおん。
 え???3台続けて来た。同じバスが。あのなあ、からだはひとつやから別に3台もいらんねんけど。
 ああ、で?ひょっとして、これが20分おき、っていう意味?20分ごとに3台。1時間で3台。なべて言うとOK?んな、わけないよなあ。
 ケン・リビングストンさんがロンドン市長に返り咲いて公共の交通機関のサービスの向上を!としきりにやっておられますが、サービスってなにかわかっとんのかね!?
 遅れるわ、止まるわ、ほぼ一年ごとに料金は確実に値上げされるわ、ストライキはするわ。「交通機関のサービスの向上と使命」ってのはね、迅速に確実に安全に(ほんで安くね)乗客を目的地に到達させることなのよ!
 まあ、よくあの狭い地下鉄のトンネルの中で事故がおこらないものだと思いますが。
 途中で止まって何かあったら、ドアがあいても線路上に物理的に出られない、と思うとぞぞっとしますが。
 昔「地下鉄はどうやって入れたのか」という東京漫才がありましたよね。でもロンドンでは、すぐ答えが出る。ロンドンの地下鉄は郊外の方にいくと、みな地上にでてふつうの電車のように屋外を走ってます。みながそうなのかわかりませんが、ほとんどは外にでます。わたしの利用する線もそうなので、暗いせまい地下から、空気のある?ところに出ると息ができて?ほっとします。
 これからなら、事故でもなんでも起こってくれい。。。てなことはないけどね。安全第一安全第一。
 ゾーン制。
 地下鉄料金はゾーンで決まっていて、同じゾーン内であれば、西に行こうが、南に行こうが、同一料金。
 1から6まであり、その外もあります。ちなみにヒースロー空港はゾーン6。観光できる市内の名所などはだいたいゾーン1内で事足ります。これ唯一の長所かなあ。パリのほとんど1つの幅広ゾーンには負けるけどなあ。まあ、パリの場合、ラテン系ということも考慮してあまり、細かく分けない方がええんやろな。ごめんね。パリの方。
 定期もゾーンで買うので、例えば定期の有効期間に引越しなんかしちゃって、利用駅が変わっても、同じゾーン内であれば、そのまま使えます。
 バスはねえ。いわゆる真っ赤なダブルデッカー。車掌(Conductor といいます)さんが乗っているバスはドアがないので、信号待ちとかして留まっている間にバス停でないとこでも、ほいっと乗り降りできる。きりっとスーツ姿にアタッシュケースなんぞを持ったおにいちゃんとかが、まだ止まらないうちにすらっと飛び降りる姿をハタでみてるとかっこいいのですが、もちろん、危険が伴うので、近年このドアなしバスを変えようという意見もあるようです。皆様も気をつけてください。わたしも運動オンチの自分を省みず、何回か落ちました。
 その場合、車掌さんが車内を回ってくるので、行き先や、料金を言って、切符を買います。「70p (70ペンス)please」とかね。バスの一日有効パスとかを持っていればそれを見せる。けっこう、ドアのあるワンマンカーが増えました。その場合は乗るときに同じように、行き先を行ってチケットを買う。はじめのころ、行き先をいうのはわかるのですが、料金を言って買っているひとにちよっと不思議な感じがしましたが、これもゾーン制のなせるワザですね。その料金以上に乗っていたらどうするんだろう。とか。ウソとかつかないんかなあ???自己申告の世界ですね。
 ま、時間のないとき、バスはやめたほうがいいです。特に市内は道路いっつも混んでて、時間は測れません。突然途中で降ろされたりもあるし、行き先をちゃんと見ていないと、同じ番号のバスでも自分が行きたいところへ連れて行ってくれません。わ、来た、と飛び乗ったときに限ってそういうことが多いです。わたしの経験からいくと。急がないときは、景色が見れるし。2階のいっちゃん前に陣取って、上から眺めるロンドンはなかなかよろしいで。

既存バス観光ルートお勧め

⑪ばん。シティの昔からの通りを通ってストランド、ウエストミンスターを過ぎて、ヴィクトリア駅まで。

⑨ばん。ピカデリーサーカスからグリーンパーク、ハイドバークの南を見て、ナイツブリッジからハイ・ストリート・ケンジントンへ。

⑧ばん。映画の「ノッティングヒルの恋人」で、ヒュー・グラントがホテル・リッツの前から8番に乗っていましたが(住んでるいやみ?)ヴィクトリアからグリーンパークを経て、ボンド・ストリート、オックスフォード・ストリート(うちの会社の前にもくる)。お買物好き向き。ノッティングヒルには行きません。念の為。

ということかな。不出来なロンドンバス・地下鉄ですが、ま、手間のかかる子ほどかわいいとか言うのがなんとなし、わかるような気もします。

 2002年2月9日   次回は「銀行のナゾ」          
© Mizuho Kubo , All rights reserved….. February 2002

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