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Sunday, November 22, 2009

72 青空市場 in Maidenhead

 ここ、メイドンヘッドでは、つきに一回、第二日曜日に Farmers’ market  がでます。地元の農家の農夫さんたちが?近郊からバンで乗り付け、ストールだして売りにくるんです。野菜、肉、お菓子、チーズ、魚屋さんも。発泡スチロールの箱に魚まるごと入れて持ってきますよ。日曜日の朝10時くらいから午後1時まで。
 前日の土曜日から「日曜日・ファーマーズ・マーケット」と黄色い看板がそこここに立ちます。場所はタウンホールに程近い普段は町の駐車場にストールがはりめぐらされ、臨時のマーケットプレースになります。うちから歩いて3分!重い買い物をしても便利!そんなに規模が大きいわけではなく、店の数も10件ほど。ひととおりの種類はありますな。毎月のように行って決まって買うのは「フリーレンジ(放し飼い)卵」、ベーコンなどの肉類、さかな、野菜。
 わたしの「かいものキット」はジュートのエコかばん(重いものを入れても大丈夫な手提げかばん)に、卵入れ6ヶ入箱(スーパーで買って使ったあと箱だけ残しておいて、マーケットの日に持っていく)昔、近所にくる豆腐屋さんにボールもって買いにいったようなもんかいなあ。
 つきいちなので、品揃えにも季節感が漂います。鱒だけ売ってる専門ストールが燻製、生、の鱒大小売ってておいしい。ここに5月はクレイフィッシュとよばれるざりがに、も登場していかにも川魚専門であったのに7月いなかったなあ。夏休みかしら。肉屋さんも、秋にはうさぎやフェザントと呼ばれる鳥類なんかのゲーム類が豊富だったし、今回は果物屋さんにベリー類が満載で夏らしい、と品揃えを見ているだけでも楽しい。いちご、ラズベリ、ブラックカラント(黒すぐり)、カラントは赤か黒と思っていたら、黄色のきれいなのがあって、思わず買いました。ふつうは料理の飾りとかに使うから、すっぱいだけかと思ってたらこれまた甘い。ベリー、ベリー大好きなわたしにはうれしい驚き。

 イギリスでは四季を感じられないというひともいるが、わたしはこのファーマーズマーケットで季節を感じてるかな?食い意地で感じてるという意見もありますが。
 毎回陣取りの場所は決まってるようで、入って右にプラント売りのおばちゃん。自分で作ってるのか、陶器のお皿やマグなど。模様はすべて草花。だからか、草花やベリー類もよこちょで売ってる。

 その向かいがパイやパン、ケーキ屋さん。夫婦で来てて、おばちゃんいつもしゃきしゃきとしてて愛想がいい。ホームメードのパンにケーキに、キッシュ類もある。
 その奥行きの隣、チーズ屋さん。肉屋はけっこういて、その隣がラム類の多い肉屋1.だちょうの卵も売ってる。
 肉屋2.豚類の専門かも。ベーコンに、ガモンの塊肉に、フィレに。。
 そこの肉屋で売ってる肉でソーセージ、バーガーの屋台が隣。
 卵やさん、ここでいつも卵買います。卵だけじゃなく、トマトとピーマンとかも売ってるの。トマトも黄色や細長いイタリア系のトマトとか。甘くておいしい。試食もできます。
 サイダー売り。サイダーはりんごからつくるアルコール飲料です。フランスのシードルといえばわかるかしら。おこちゃまの飲み物ちゃうで。アルコール分も7%とかあって、ワインよりは少ないがビールよりは多いんやで。ここは生(ドラフトという、発音はドラーウトって感じ?)の樽出し。1リットルとか、2リットルボトルに樽から詰めて秤売りしています。発酵したての飲料って感じ。生ビールならぬ、生サイダーを飲めるのはイギリスだけじゃないのかなあ。それにサイダーにはstill  という、バブリーじゃないのもあるのよ。ここのはそれ。試飲もさせてくれたから買った??
 花やさん。草木類、花だけじゃなく、12月は手作り風の洒落たクリスマスのリースとかも売ってた。最近ハーブや、鉢植えのポットに入ったレタス、バジルのたぐいも登場。「切っても切ってもまたでてきます」だって。
 自家製パン屋。かたまりの大きいパンで、イギリスちっく。
 肉屋3.ここも愛想のいい老夫婦がいつもいっしょに来てて、オーガニックぽい。ビーフにラムに、ベーコン。ポーク。一通りそろいます。たくさん買うと、計算が面倒なのか、端数を切り捨ててくれるので好き。
 肉屋4.豚肉、ソーセージ、チキン類。ソーセージは焼きたてを味見させてくれる。いつも味見ばっかでごめんね。試食ばっかりしとるなあ。
 トリは(いや、さかななんだけど)魚屋。こんだけ肉屋はあるのに、魚屋はこのかたひとつ。やはり島国でも肉食動物イギリス人。でもこの魚屋さん、なかなかレベルが高くて、気に入ってます。顔より大きいブリルというひらめのような形のでかい魚。友達と分けたけど、とってもおいしかった。でも3食分くらいあったので大きいのは敬遠してたら、ある日小さい黒鯛があって、思わず感激。でも、たまにきずは何でも3つでいくらにする、ってやつで。でかブリルは1匹でも5人前くらいあるのに、それを3つも買ってどうすんじゃ、と思ったけど、友人とひとつずつ分けて、あとは冷凍したわん。黒鯛は小さいけど、ひとつ2ポンド、3ケで5ポンド!と言われたが、涙を呑んで?1つにしたわい。通常スーパーの魚屋では、内臓とってくれ、頼めば3枚におろしてくれたりするんだけど、ここはストールなのでできない、と言われる。マルまま、持って帰り、うろこと格闘!!日本で買ってきたうろこおろしが役に立つぅ!!文字通りバリバリっと大変だったわな。そこらへんにうろこが飛び交う戦い。ぜいぜい。次は内臓取りぃ。小さいけど、内臓取り出すのも冷や汗もの。いやん、気持ちわりぃよぉ。しかし、食い意地の一念により生まれて初めて魚をおろす!!!きれいにして塩で焼いただけのおいしかったこと!!甲斐があったわ。しかし、しばらくええわ。
 そう、かにも失敗。甲羅の爪のとこだけの、ばらけてるのがバッグいっぱいで安かったから喜んで買ったが、甲羅をはずすのにひと苦労いや、百くらい苦労。見た目よりずっとてごわい。こっちのかにって、甲羅ががちがちに石のように硬いのだ。肉たたきで、がんがんたたいて割って、やっとの思いで身をほじくりだして、からのかけらといっしょにじゃりじゃり食べたわさ。まさにカトキン豊富って感じよね。しばらくええわ。本来から、じゃまくさがりなのよ。
 おろさなくていい、解体不要。かに身だけのが人気。そのままサラダにしてもいいし、パスタにまぜても。このごろは季節柄、ロブスターが気になってますが、ひとりでは食べきれんしなあ。これも甲羅やからしばらく近寄らずに離れとこ。さかな解体は力仕事だわなあ。
 話もどすけど、場所は普段は町営の駐車場。マーケットが出る日だけ駐車禁止。そのあとまた駐車場に戻ります。月の一回の土曜日にはハイストリートにこのマーケットが出たりもします。ウィンザーにもありました。ここは規模はうちより大きいけど、バラエティがそうあるとも思えなかった。同じ店がこの界隈(ウィンザー、メイドンヘッド、アスコットと)を巡回してるみたいで、地元で必需品はみな買えるからええわと気に入っております。




本日の収穫>>

写真左上 から、ベーコン塊、薄切りベーコン、サーロイン・ステーキ、フリーレンジ卵
卵の向かって右隣のポリボトルは生サイダー(1リットル)、
その右、さつまいもではなく、紫じゃがいも。
卵の下が黄色プチトマト、ラズベリ。ステーキの下が かに身ほぐし、黄色すぐり、
一番下、真ん中が アップルパフ
 黄色の「すぐり」はあまりきれいなんで「チャリティショップで2ポンドで買った裏を返せばロイヤルコペンハーゲンの」白い器に盛ってみました(自慢かい!)。皿は菊のような形で気に入ってるんですけど。果物は透明な水晶のような、さかなのたまご、キャビアみたいよね。
 半分はラズベリとともに冷凍したぞ。凍りついたストロベリやラズベリは氷代わりにピムズに入れて飲むのが夏の楽しみ!!だし。
 ベーコンは streaky  と呼ばれる油の多いのが好きで、かりかりに焼くの。
 2枚ずつくらい切って小分けして冷凍しておき、週末のブランチのイングリッシュ・ブレックファーストの一役を卵とともに担うのですわ。

2009年7月18日          
© Mizuho Kubo , All rights reserved…..…..July, 2009

70 KABUKI 十二夜・コラボ

 ロンドンでカブキを見るのはこれで3回目かな。
 日本で見たことないのに、不思議ね。なぜか、ロンドンだと見たくなる。日本文化を自慢したい、というか、わたしってやっぱり日本人ね、と思うひととき。
 今回はシェイクスピアを歌舞伎でやるっていう。むつかしいことはようわかりませんが、何も考えず、蜷川演出だし、でも期待もせず、楽しみに行きました。ところがとってもよかった。わかりやすいし、華があるし、歌舞伎を知らない初心者でも non-Japanese でも楽しめたでしょうな。
 舞台は拍子木(これも意味あるそうです、予習してね)から始まり、おなじみの垂れ幕が上がったら向こう側前面鏡。客席がそのまま映ってるよん。次のシーンはみごとな桜の大木の下で西洋ピアノがでてきましたわ。3人の子供がバテレンの衣装に身をつつみ、ラテン語で賛美歌を歌う(これロンドンで子役オーディションしたらしい。3という数字も意味あるんですけどまた次回)。伝統的な衣装と西洋風の衣装がここにもコラボです。衣装のコラボ、音楽のコラボ、舞台のコラボでしたね。回転舞台は歌舞伎の専売特許でしょうが、見せ方がうまい。
 シェイクスピアとの共通点。
 歌舞伎が生まれた時代と日英ほとんど同じ。
 男優だけで演じている。女性役(女形)がある。
 せりふ、ことばの遊び。
 「道化」が「あほう」になるのもぴったしくるし。
 違うのは踊り、くらいかな。シェイクスピアにはないのでは。
 女を男が演じ、その中で双子の兄になり一方で男を演じる女形という3役ひとりで、しかも早変わり。むつかしい役柄をうまく演じておいででしたね。菊之助さん。最後兄妹二人いっぺんに出るときはどうするのか案じていましたが。なるほどね(言わないでおくね)。
 予告英語版は、ロンドン公演なのに、なぜかアメリカ英語(にわたしには聞こえるが?)なのでちと興ざめ。
 日本で同じく蜷川演出のシェイクスピアの「お気に召すまま」を舞台で、成宮くん、小栗くん、で観ました。まるで近所の知り合いみたいに言うとるけど、これも良かった。けど、舞台だったので、やはり、シェイクスピアらしく、特に日本語でくると、ことばのいいまわしがわざとらしげ、と思ったけど、歌舞伎にすると、もともと大仰だからぴったりくる??
  さて、バービカンの劇場は当然、日本語でやって、英語のサブタイトル(字幕)つき。舞台も衣装も基本はカブキ。これもシェイクスピアとカブキのコラボ。登場人物の名前が漢字にあてはめてある。音をそのままに、日本的かつ漢字にはまってる!うまい、と思いましたね。
 たとえば「ヴィオラが男装してシザーリオに」が「琵琶姫が男装して獅子丸に」なり、その双子の兄「セバスチャン」が「斬波主膳之助」。ヴィオラが恋する「オーシーノ公爵」は「大篠左大臣」だし。「オリヴィア」は「織笛姫」。音も漢字の感じもきれいね。役どころとともに笑ったのは「アンドリュー・エーギュチーク」が「安藤英竹」。
 日本語の訳はちと簡単すぎ。日本語のせりふは伝統歌舞伎のものいいをうまく現代風にアレンジされてて、おもしろく、わかりやすい、で雰囲気もあり、非常に楽しくふむふむだったんだけど、これって non-Japanese にわかるのかしらね。
 すらっと言われたらそのまま行ってしまうようなせりふの、そこんところのニュアンスがわかるのか?たとえば「では、つつがなく、さらばじゃ」 が、Goodbye. がくっ。3行のもったいつけたものいいを字幕の2行に入れ込もうと思うと大変とは思うがチョ~意訳というか、簡単な説明になってましたね。「そこもと、待ちゃあ」という女形のせりふも「you, wait」やしね。
 イギリス人はどう評価するか興味津々であったけど、観劇に来ていたイギリス人俳優の評価はマル。ロンドンの無料新聞の評価も良かったけど、演出 Yukio Naginawa になってた。ナギナワさん、ちゃうで。失礼やんねえ。まあ、カブキを言えただけよしとせなならんか。。。
  6月に東京、7月に大阪でもやるので日本の皆様はぜひ行ってみてくださいませ。お薦めだよん。ちょっとこれ、観たっての、自慢になるかもよん??
  十二夜 公式サイトで「予習」してから観る方がいっそう面白みが増すわよん。そう、公式サイトにあるように、バービカンには花道がございません。
 花道を一応考えて舞台に向かって左端のストール(一階席)に陣取ったのに、ざむねん。つくってほしかったなあ。やっぱ。ロンドン速報でした。

you tube ロンドン公演予告
http://www.youtube.com/watch?v=qYpyTgHG6DM

読売新聞サイト
http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20090325-OHT1T00309.htm

松竹大歌舞伎 サイト
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/shinbashi/2009/06/ninagawa.html

十二夜 公式サイト
http://www.kabuki-bito.jp/juniya/

2009年4月5日          
© Mizuho Kubo , All rights reserved…..…..April, 2009

71 通勤ライフ in Maidenhead

 春だ、春だ。今週は珍しくずっといい天気で、雲ひとつない青空に太陽がさんさんと輝いてました。気温はまだ肌寒いですけどね。  家から会社までローカルバスで20分(4キロほどなのに時間待ちするから。車で飛ばせば
10分くらい)の距離だが、一時間に一本だし、バス乗って早く着くより、歩けば40分ほどなので、少し寝坊ができると気がつきました。寝坊したいわけじゃないけど、
 歩くのは1)体にいい 2)バス代浮く。。たかだか1ポンド70だが。3)景色がいい
 というので、3月は早番だったので朝歩いてます。
 コースは2つ。
 1)川沿いを歩く景勝コース
 2)住宅地観察コース
 1)は三角形の2辺を行くのでちと時間がかかりますが、なんといっても目玉はテムズ川沿い。シーニックルート。
 2)はその三角形の1辺を行くので、ショートカットコース。でも景色はまあまあ。なんといっても目玉は住宅の見学。けっこうでかいお屋敷が立ち並ぶ道を行くのでそれを見ながらというのも楽しいです。
 では、みなさまごいっしょに。グーグッてみよか。まず1)のコ~ス。
 Maidenhead(日本だと、このあとに England  とか入れた方がいいかもね)と google へ行って map  してみてください。


 
 まとめると、家 Forlease Road  をでて、Waitrose(スーパー)のある角で右折れしてMoorbridge Road へ入り、サブウェイ(イギリスでは地下道のこと)をくぐりぬけ、左手の Ray Street から公園の芝生を横切り Ray Park Road  にでます。





そのまま直進し、Ray Park Avenue を横断してなおも行くと角がテムズ・ホテル。向かいはもう川。そこからは川沿いのテムズ・パスに沿ってただまっすぐ歩くのみ。Ray Mead Road を行くことになります。
途中中州を向かいに見て角に改築中のレストランが見えたらBoulters Lock。Lower Cookham Road に入るRay Mill Road East との角です。その名の通り、せき止めてあり、ナローボートなどがいます。ここも中州になっていて右に折れて入ると大きな公園がありますが、朝は寄り道してるひまないんで、そのまま直進。テムズ・パスはなおも続きますが、ブラックアンドホワイトの長屋のところで道は川から離れ、The Avenue, Islet Road を過ぎると次のかたまりが Whitebrook Park で会社。終点と。


 2)のショートカットコースはRay Park Road までは同じで、Ray Park Avenue に出たら左へ進みRay Mill Road East との四つ角から北進している Sheephouse Road へ入ります。Sheephouse Road はけっこう長い道のりですが、左は牧場、というか馬とかがいる草原(その向こうには池もある)という牧歌的風景。右は邸宅が並ぶ豪邸通りって感じ。Lower Cookham Road と合流するところで、右手に折れると、すぐ左前が会社。


 川沿いは鴨もうようよいて水仙が咲き乱れ、桜やもくれん(ピンクが多いような)も舞って、華々しい。カメラをたずさえ写真撮影準備にかかっていたら朝、シャッターチャンスに恵まれました。ぜひ見てね。
 今は繁殖期なのか、カップルが多い。いやんなるほどみんなつがいで泳いでたり、遊んでたり、しておられるの。緑青のきれいなやつと茶色だけのがいつも対(つい)になってて、見てるとおもしろい。もっぱら鴨観察は帰りにしてました。水辺にたたずんでいるときは対で何を話してるんかなあとか。みな同じように見えるけど違いがわかるんかなあとか。水中ではすいすいとけっこう泳ぐの早い。カメラのシャッターチャンスがむつかしい。雁にいたっても必ず2羽いっしょだし。白鳥だけかなあ、単独行動は。がーがーぱたぱた、おいかけっこもしてるし、着地・離陸、すごいよ。見てたら。川面めざしてかーかーいいながら降りてきてざはっと着地。羽根って防水加工になってるから水にぬれてもわかんないのよね。さらっとしてます。いいなあ、飛べるし、泳げるし。とりはとりでもすずめやロビンとかだと飛べるけどさすがに水の中には入っていけないもんね。


 かもくんが、一羽、よたよた川から道路を横切ろうとしてというか、お散歩状態。さっさと渡ればよいものを道路の真ん中で行ったり来たり。この道はけっこう車の通行量が多いのに、車全部止めてました。運転手さんたち、優しくて、かもが渡り切るまで待っててくれてるの。あ~あぶない、はよ、渡れよ、と心配しつつ、シャッターチャンスと写真を撮っていたわたくし。



 その後彼は突然道路から川に向かって文字通り飛びました。なんや、飛べるんやん。そうか、鳥やもんなあ。だったらさっさと飛べばいいのに(大笑)あんなはらはらして車に轢かれないように気をつけ~いと思って心配してやっていたのに。


<ウエブアルバム>わたしの力作、見たってちょーだい。


川沿い景勝ルート


邸宅観察ルート


2009年3月26日          
© Mizuho Kubo , All rights reserved…..…..March, 2009

69 雪国風情

 はじめ、番外編にしよかと思ったのですが、いや、本編でいいんだと。 


 2月3日に大雪が降りました。ロンドンとイギリス南東・南西部。



 ロンドンバスは止まり、地下鉄までもなぜかストップ。
 ??年前に大雪といわぬ、小雪が降ったときも地下鉄が止まってタクシも渋滞で行かず、1時間ほど歩いて帰ったこともありますが、今回はそれより大幅に大雪。このときの顛末も確かエッセイにしたためましたわ。(今アーカイブを調べると21番の中に緊急レポートとして書いてました。2003年2月でした。ご参考)
 止まらいでか、って感じよね。何でも、18年ぶりの豪雪らしい。列車も飛行機もキャンセルが相次ぎまた余分な仕事が増えたわけです。仕事行かなくて窓から庭に降り立つ雪の風情を眺めているだけなら美しい、の一言でいいんですが。
 こんなときロンドンでなくてよかったと思う田舎暮らし。
 田舎のローカルバスは一時間に一本。そうでなくても遅れたり来なかったりするけれど、雪の中ちゃんと来ましたよ。ロンドンバスよりえらいやんか。運ちゃんも出勤できないのか、その朝は初顔の女性運転手。乗客のわたしたち、お客さんに道案内してもらいながら、ほれ、そこ右、今度左、とまがりくねった田舎の道をゆるゆると間違わずに行きました。
 うちの同僚はみな車で来ているため、雪の中運転できなくて来ない。比較的家の近いわたしを含め、半分の出席率。
  火曜日はなんとか、雪も解け始め、やれやれ。道路の色も見えてこりゃもう雪も解けるなあと思っていたら水曜日の朝夜の間に降り積もった雪でまた一面銀世界に。



 しかし、この国の民族性なのかどうか、はじめてに弱い。
 一日目はしっちゃかめっちゃか大混乱だったのに水曜日はきわめてふつー。
 空港の混乱もまずない。しかしまた明日も大雪情報。わたしはこの一週間、山行きの格好で出勤してます。すなわち、靴下はふつうのに分厚いのを上に2重にしてはく。靴はもちろん、すべらないように底の分厚いウォーキングシューズ、フードつきのダウン、帽子、マフラ・手袋。しあげはリュックサック。戸口に現れたわたしを見ると一瞬、なにもの?って感じ。





 写真もうれしがっていろいろ撮ったので下のリンクからウエブアルバムで見てね。
 節分気分もすっとぶ雪のロンドンより。  


                      雪景色

 水曜日に積もった雪が気温が低いのでまだ解けずに残ってます。きれいけど、また今週火曜日くらいから大雪の予報。冬の嵐だってさ。


2009年2月6日          
© Mizuho Kubo , All rights reserved…..….. February, 2009

68 仕事さがしも楽じゃない

 いまだから言える就職活動日記。
 ロンドンで仕事さがしするはめになるとは思ってはいませんでしたが、恥をしのんでしたためましょう。第一回目の失業中、友人にぐちぐち言ってたら「それ、おもしろいからぜひエッセイにして」と言うので。
 こちらにも職業安定所というものがありまして、その名もジョブセンタープラスと言います。*GPといっしょで住んでるところで決まるのですが、登録をしたら2週間毎にサインをしに行って失業給付金をもらいます。失業給付金と言っても週に57ポンド(当時・約13000円)ほどです。生活するのに必要なお金 Living Allowance っていうことですね。これだけじゃ食費にもならん、もちろん贅沢もできませんが、まあゼロよりましか。そら、贅沢したかったら仕事見つけなさい、って言うことよね。そら仰せの通りでごじゃりますけど。
 ジョブセンターってのが、政府の機関ですし、期待したらいけませんが、ほんとお役所。初めて登録に行ったとき、偏見じゃないが、黒人スタッフが多いのにびっくり。当時はロンドン北東のアーチウェイってとこにいたんです。登録に行くと尋問のようにあれこれ聞かれました。わたしはそら、見ても外国人ですし。「家族がいるのか」、「家があるのか」でっかいこわもての黒人のおじちゃんに、あれこれ、うんぬん聞かれ、全部ノーだと「ここで働きたいのか」まるで(そんなにしてまでここで働きたいの?)って感じ。悪いか!
 そうやって登録したのに、すぐに1ヶ月ほど日本に帰ったので、サインしに来れないから給付金がもらえなくなりました。戻ってきたらまた登録のしなおし。再登録に出向いたら、だれもいない机のところに座らされ、待つことしばし。やっと来た係員は「なに?なんでこんなところに座ってんの」って感じ。またいちから説明して、諮問表みたいなのをバサッと渡され、コンピュータでちゃかちゃか、と。次のインタビュー、いついつ、この日に来るように。で終わり。諮問表、ここで書かなくていいから、今度来るときに書いて持ってきて、だって。あんなに待ったのに、はよ帰れって感じ。
 で、2週間ほどたって、アポの日に行きますと「ID は?」だって??? ID=パスポートを見せろと言うのです。そんなん、持って来いって言われなかったよぉ。「住所確認の書類は?」それも聞いてないよぉ。だいいち、日本に帰る前に初めて手続きしたときに出したよ。それからそんなに日もたっていないのに。でもだめ。このフートにコピーを入れて送って頂戴。ID と住所確認の請求書類が要るのよ。その度に「聞いてない!言われてないから持ってきてない、なんで前に言ってくれないの」と無駄な抵抗を繰り返すが柳に腕押しの構え。
 持ってきた諮問表をチェックし、最寄の郵便局欄をブランクにしていたので、どこの郵便局で受け取るの?と聞かれる。給付を受けるのに普通は銀行の口座に振り込まれるが、それがない場合、郵便局での受け取りとなるので、郵便局の詳細を書くようになっています。銀行口座を書けば必要ないと思っていたのでその欄はブランクにしていたのです。「もし何か問題があったら困るから郵便局の詳細もいるのよ」だって。前回銀行口座で受け取りしてんだから。何が問題なん?口座も変わってないんだから。それでもいるって。ようわからん。ここから禅問答のような展開。
「郵便局の住所は?」郵便局の住所?郵便局の住所なんて知らないわよ。「いちばん住まいに近い郵便局の住所」ハイゲートにある、あれかなあ。「郵便局の住所は?」郵便局の住所なんて、あなた、覚えてるの??と聞いてやりたかったが口に出しては言えない。彼女はリストを見ながら「郵便局の住所」としか言わない。 
 おそらくハイゲート・ハイロードだと思う、と言うと、そんなのないわよ、とリストから目を離さずに言う。そのリストをのぞき見るとハイゲート・ハイストリートと書いてある!あ、そうか、ロードじゃなくストリート。そのくらい、わかってよ!ハイゲート・ハイストリート。推測したれよ。で、やっと尋問が済み、終わったと思ったらまた別の係員のいる処へ行き、机の前に座って待つ。コンピュータにデータを打ち込みながらその女性にこんなに長い間(2ヶ月間)なぜ仕事してないのか、とか言われます。はい、希望の職種は?かちゃ。希望時間帯は?かちゃ。休日出勤できる?残業は?かちゃかちゃ。あのぉ、今のうちに(トレイニング)コースにも行きたいのですけど、と言うと「行ったら教えて頂戴」終わり!どうやって見つけたら。。。「行ったら教えて頂戴」終わり!多分、わたしがどこそこのコースに行った、と言うとそれを打ち込むんだな、かちゃとコンピュータに。打ち込むだけが仕事かい。
 管轄のパンフレットの文句「ジョブセンタープラスの使命」「貴殿が仕事を見つけるお手伝いをします」「貴殿が仕事に戻れるお手伝いをします」書いてあるだけかい!
 1週間ほどテンプの仕事をしたので、申告せねばなりません。たった1週間だし、それがずっと続く仕事でもなかったのに「支給を打ち切る」って。だって、これがパーマネントの仕事じゃないんだもの、なんで?書類に書いて出さねばなりません。その前に所内にある無料電話で中央局まで電話して事情を説明してください。かけるもかけるも、録音の案内がえんえん続くだけで、人間がでてきません。もしくは話中になる。話中になるとまた一からかけなおさないといけない。15回くらいトライしたかなあ。無料電話やからええけどさ。いや、だからええってことはなかろう。時間にして約30分。わたしは次に約束があって、えんえんこれ、やってられないんだけれど。選択のオプションは3つあって、わたしは「1」を選ばねばならぬのだが埒があかないので「2」と「3」もやってみる。「2」は同じで話中。お「3」でやっとつながった!ひとがでたよ。喜びいさんで事情を説明したのに「その用件は1に電話しなおして」だって。やっとつながったと思ったのにぃ、まわしてくれへんのか?ほかに担当者はおれへんのか、って感じ。またえんえん話中、かけなおし、話中、かけなおし、話中の繰り返し。あげく、アポの時間が迫っているので、明日にしよう、と出直すことに。翌日もまあ、似たような状況。しかし我慢大会と試されてるのかも、なんて思いながら単純作業を繰り返していたら、やっとつながった。出てきたひとはえらいスコットランドなまりで(中央局はグラスゴーにある)何を言っているのかいまひとつよぉわからんかったが、とどのつまりは、今いるところで書類をもらえって。え~っ?だったら昨日そう言ってよ。わたしのこの2日間は何だったの?!これぞ究極のお役所仕事やん。
  ほんでもってとどめオチまであり。時間費やし書類を説明して出したにもかかわらず結局支給は打ち切られましたわ。仕事がそのあと見つかったからええけどさ。なんのためのジョブセンターやねん。支給打ち切りするのが仕事なんかい、ってすごみたくなるわ。
 もう二度とジョブセンターのお世話にはなりたくない、と失業者に思わせるっつう意味で、この役所の存在価値はあるのかもしれませんな。


 <筆者注釈>
*GP=General Practitioner  ホームドクター。国の保険機関 NHS で指定された自分の住まいに近い診療所の医者が担当となる。引越しした場合は引越し先で新たに登録しなおす必要がある。
**これをしたためていた間にまたもや失業し、引越しもしたので今度は違う区のジョブセンターに行くはめになりました。2つめ。またネタ増えるかと思っておりましたが、今度のところはとっても親切でありました。ここなら長く通ってもいいわ?なんて思っていたけど、今度は2ヶ月足らずでまた仕事が見つかり、ほどなく行かなくてすみました。

(失業活動してたのは2006年3月~9月と2回目が2007年6月~9月です)辞めては日本にひとつきほど一時帰国し、また探すというのを2回やりました。


 おかげでなけなしの貯金もそこをつき、また貯めねば。人生プラスマイナス平等だと思うのは金持ちにもなれず、ホームレスになることもなく、ま、分相応なんでしょうな。
 この不況で3回目はやりとうない。が本心です。
 新年早々しょぼい話題ですんません。
 今回はビジュアルにも色気もなく。。。白黒で?????


2009年1月16日          
© Mizuho Kubo , All rights reserved…..…..January, 2009

67 ロンドンを褒める

 いっつもロンドンはこうだ、ああだ、ひどい、信じられない、とネガティブなことばかり書いてるように見えますが(実際そうだが)いいことも書かなきゃね。ぶつぶついいながらも、ここが好きなんです。わたし。きっと。  
 この前バスに乗ってたら、車椅子のおじさんが降りようとしていて、まわりのひとが助けてあげていました。車椅子のひとが乗り降りの場合は、バスの出入り口にランプという、補助滑り台のような板が出るのです。ロンドンバスは今3種類あって、ひとつが有名な2階建てのダブルデッカー、次が最近できた、ヨーロッパ式の横に2連結の長いやつ。あとは、一両だけの小さいやつ。バギーやお年寄りが乗る場合、小さいバスは車体を低くして、乗りやすいようにします。車椅子の場合は、まず車体を低くし、出入り口のランプを出し、それを利用して、バスから道路へ橋渡す、みたいなもんです。で、この日、おじさんが運転手に降りると言ったのにもかかわらず、聞こえなかったのか、発車しようとしたので、まわりにいた何人かが、おいおい、って、運転手を止めました。
 中途半端に出発しようとしたので、止まったはいいが、ランプを出すところが、ごみ箱の前。こんなところでドア開けられても車椅子出れないよな。でまたドアを閉めて少し移動して、空間のあるところに停まろうとします。が、ランプがなかなか道路の歩道までかからない。道路と歩道の間に段差があるんですね。2回試みたが、だめ。どうしてもランプを渡せない。見かねたまわりのひとが、「ドア開けろ」。ドアが開いたところで、4人がかりで、車椅子ごとおじさんかかえておろしてあげました。この4人はみなそれぞれ見知らぬ他人同志。イギリス人でもない感じです。カップルで乗ってたおじさん、自分が持ってた荷物を連れの女の人に持ってて、と渡し、椅子運びを手伝います。外に出たら、またバスに乗って旅を続けるひと、そこで降りるひと、ばらばら。いいなあ、こういうのって。当のおじさんが、当然とばかりに何も言わず歩道に下ろしてもらったら車椅子でさっさと行ってしまったのが一番ショック。
 でもこういう助け合いはいつもあるようです。
 重いスーツケース。
 地下鉄の終点から、ヒースロー空港行きの列車のプラットフォームまで同じ駅なのに、あがって、さがって、またあがるという3重苦でした。空港へ行くひとなら絶対荷物あるのにすっごい不親切と思いません?すでに地下鉄の駅では階段35段を横にいた紳士が上まで持ってあがってくれました。今度下がるのはまだ、上がるのに比ぶれば簡単だが、二の足を踏んでいると、
 インド人のおじいさんが、自分も助けがいるような風体なのに、助けを申し出てくれました。さすがにわたしも悪いと思い、結局二人でいっしょにスーツケースをもって階段降りました。
 豪語しよう!わたしはイギリスでは自分ひとりでスーツケース階段運んだことがない!必ずだれかが手伝ってくれてる!あ~ん、どうしよう、と不安げに階段を見上げていると、必ずだれかがヘルプを申し出てくれます。申し訳ないと思うような女のひとまでがよ。
 だからわたしもバスなんかでベビーカーを降ろしたり乗せたりするのに困っているお母さんがいたら、かいてあげます。わたしが言う前にだいたい男性方が助けるんですけど。たいてい。
 日本では、タクシの運ちゃんまで仕事しない!トランクへって開けて、自分は運転席ですわっているだけ。わたしは一回30キロのスーツケースを必死で涙でそうになりながら自分ひとりでトランクに上げいれた覚えがあります。かよわいんだからね。
 あ、またぐちったぁ??
 イギリスのタクシは荷物はトランクに入れず、うしろの席のあいだに置くという感じなのですが、運ちゃんは、お客さんが荷物持っていたら、まず運転席のドアあけて外に降りてきます。お客さんを席につかせ、荷物を席の前に入れてくれます。目的地に着いたらまた降りてきて、(タクシの)ドアから(玄関)ドアまでおろしてくれるのさ。
 なんとジェントルマンなんでせう。
 地下鉄のドアはバタンと閉まる。駆け込みのひとも容赦しない。はさまれるとこれ痛いんですよ。かばんがひっかかると引こうがどうしょうが間から抜けなくて次の駅までそのまま。次の駅でやっとと思ったら反対側が開いて結局2駅乗るはめにも。そういうときもか弱い?女性とかがはさまりそうになったらドア付近にいる男性陣ががーっとドアを閉まらないようにホールドして開けて入れてくれたりします。これまた地下鉄の遅れにつながるとは思うんですがね。
 そんなとこかなあ。2枚で終わっちゃったけど。ほめるのも。またほめねたを探すことにしましょう。

2008年12月14日          
© Mizuho Kubo , All rights reserved…..December, 2008

65 ライフ・イン・メイドンヘッド

 メイドンヘッドという田舎に移り住み約2ヶ月がたとうとしています。ここいらでわたくしの田舎暮らしを紹介してみましょう。メイドンヘッドはロンドンからまっすぐ西へ、バークシャー県という郊外です。バークシャーというのは黒豚の一種であるらしく、ここらへんの名前からして農産物が豊かな田舎色が漂います。羊でも有名らしいということです。黒豚はまだお目にかかったことも食べたこともないのだが。
 ロンドンはパディントン駅から列車で約40分。十分都会への通勤圏内にあります。そんな近さにありながらテムズ川沿いのこの町は自然がいっぱいです。町の中心は鉄道駅から徒歩5分くらいのところにあり、典型的イギリスの町。判で押したように真ん中にハイ・ストリートが走り、主な店・銀行やレストランが固まっていて、200メートル四方の中ですべての用事を済ますことができます。大きなショッピングセンターもあってロンドンにある主なスーパー、店はすべてあり、凝縮されています。
 けっこう立派なタウンホールがあり、その向かいにはツーリストインフォメーションを兼ねた図書館。これもけっこうモダンで立派な建物です。車に乗らない(乗れない)わたしには公共の交通機関だけが頼りですが、地下鉄はトーゼンないので、バス。バスは近郊の町・村をたてよこにつなぎ運行していて、ウィンザーにもバスで行けるのですがなにせ田舎。1時間に一本という便利さでございます。しかも午後6時には最終バスとなっちゃうもんね。これは町のお店も同じ。都会に慣れたわたしは花金の夕方、仕事が終わってさあ、週末の買い物でもしようかと町へ繰り出しました。しかしハイ・ストリートには人影もなく、ゴーストタウンのようです。
 なぜなら店はみんな閉まっていて開いているのはパブとかレストランとかいう食べ物関係だけ。ふつーのお店は5時おそくても6時には閉まってしまうのよ。平日わたしが勤務を終えセンターにたどり着ける6時すぎに開いてる店はないというわけです。
 ロンドンではたとえばオックスフォード通りは木曜日がレイトショッピングデーと称して8時ごろまで店が開いているのですが、ここメイドンヘッドでは木曜日唯一某 M&S だけが7時まで開いています。しかし7時前に入ってもほとんど買物客はいません。レジのおばさんも暇そうにしていて『ああ、あと10分で家に帰れるわね』なんて言い合ってたりするのです。
 ところが平日の夜の静けさとはうらはらに、土曜日の昼。平日も。ハイ・ストリートはひとであふれ活気づいていました。よくこんなにひとがいたんだなあ、という感じ。年寄り・若者・子供を連れた家族連れ。土曜日や日曜日はマーケットが出たりもします。引っ越してすぐにファーマーズマーケットが出るというサインを見つけ行きました。マーケット大好きなもんでね。タウンホールに程近いいつもは町営駐車場がマーケットになり、地元の野菜や肉や魚やさんがストールを出しています。やはりここでバークシャーを感じるわね。家の近所だし(というより小さい町だから)至極便利。新鮮な卵や自家製ドーナツやらの店がでて、サイダー(りんごから取るりっぱなアルコールなんであるが)をタンクで売りに来てるひともいました。ドラフト生ビールならぬ、生サイダー。翌週も期待していたのですがどうも月に一回だけらしいです。新鮮な野菜やオーガニックの肉屋さんたち。『ます』だけを売ってる魚屋さんもあったりして。いろんな種類があるし、値段も違っていて、どう違うの?と聞くと、鱒の燻製3種類、まるままのスモーク、切り身のスモーク、生の切り身、それぞれ『大・中・小』とあったのでした。
 自慢したいのが自然。町中にも、町を離れて10分も歩けばテムズ川にぶちあたるが、素敵な公園がたくさんあり、散歩道もたくさん。テムズ川にはカナルボートやけっこう大き目のプライベートボートなどが悠々と泳ぐように走っています。レガッタやってる体育会系、ひとりでてこぎでカヌーボートのひと、自動のボート、カナルボートなどいろいろ。セルフドライブの貸しボート屋もあるようです。


 メイドンヘッドはマーローやレガッタで有名なヘンリー・オン・テームズにも近く基地のようになっています。もちろん、ウィンザー・イートンへも車であれば20分ほどの距離。









 テムズ川はゆったりと流れていて、川沿いは散歩道で柳や木々の間を川の中にいる鴨や雁たちと同じように散歩するのは気持ちがいいものです。川の流れに沿い、水の色も流れの速度も日によって違う。天気がいい夏の日は透き通る抹茶色で、このごろは秋の気配でよもぎもち色かな。草だんご色のときもあり。たべものの例えばかりですんません。大雨の後などは茶色く濁っていることもあったけど、おおむね、景色を見ていると飽きないくらい癒されます。何も考えないまっちろな時間。サファリのようにあちこちにいるとりたちも見てるとおもしろいの。川辺を散歩してるかと思うと突然水に入る鴨や優雅に自分の姿を水に映しながらおっとりと浮かんでるかのような白鳥。けんけん、と言いながら飛び出す雁の一団やら。頭を水の中に突っ込んで水面にでているのがおしりだけで、それが三角に立ってえものをあさってるのとか。仲が良さそうにつがいで並んで泳いでるのとか。まさにバードウォッチングです。



 天気のいい日曜の午後、軽い運動がてら歩いて15分ほどのところにある川沿いのお気に入り公園に行くのが楽しみの日々でございます。ここも住宅の中にあって、一瞬個人の庭かと思いきや、だれでも入れる公共のスペースでした。広い川沿いに公園があり、小さな中ノ島に橋を伝って渡ることができます。向かいに目を向けるとボートハウスやボートも備えてる瀟洒な邸宅街です。家の玄関からそくっと川へボートを流せるっつう。きゃあ、優雅だわ。ここでは時間はおもいきりマイペースに流れ、ばたばたするのがばからしい、とも思えてきます。


2008年10月19日          
© Mizuho Kubo , All rights reserved…..October, 2008

66 ライフ・イン・メイドンヘッド その2

 ここに移り住む際にどういうところを探すかというのがひとつの課題であった。いままでひとりで住んでいたのだが、いわゆるひとりで使えるフラットやスタジオ形式の家だと高くつく。田舎だから安く住めると思ったのは甘く、ロンドン並みの物件価格なのだ。一軒の家に何人かが住んでいて台所や浴室をシェアするという形式はこの国に多い。独立のフラット(アパート)だと家賃がけっこうして、しかも水道代、電気代などが別。シェアだと全部込みでしかも安い。田舎に行くのにロンドン並みの家賃を払うんだったら意味ないわよ、という友人の一言でわたしは多少窮屈でもシェアを選んだ。
 かくてシェア生活が始まったのだ。
 はじめから驚きの連続。大家は別のところにいて同じ家には住んでいないのだが、入る前に何人とシェアなの、と聞くと4人という。
 セミデタッチドハウスの2階建ての家で、広い庭もある。グランドフロアにキッチンとユティリティールーム。ここに食事ができるテーブルと椅子、洗濯機がおいてある。わたしの部屋はグランドフロアの奥、庭に面したユティリティールームの隣である。ファーストフロア(日本式で2階)にはさらに部屋とバスルームがある。玄関を入ったところにもうひとつトイレがある。
 台所とバスルームはシェアなので、今までのように自分が使いたい時間にいつも使えるわけではなく、まあ、我慢だなあ、と思っていた。
 初日、引越しのあとは外食し、寝る前にシャワーを浴びるかと上に行くがドアが5つあり、全部閉まってる!どれがバスルームのドアかわからないのである。全部開けてまわるわけにはいかないし。しばらくして度々様子を見に上に行くがドアが開いている気配はない。疲れていたしあきらめてその夜はシャワーも使わずに寝た。シェアの現実を思い知らされた。
(のちに発見するのは、使ってなくてもドアを閉めるやつがいて、閉まっているから使っているとは限らないと判明。以降閉まっていてもとりあえず開けてみることにする。とけっこうだれも使ってないのに閉まっているときが多いのだった!あのときもどのドアさえわかれば空いてたのかも??)
 しかし、階上のドアは5つある。1つがバスルームだとあとの4つは部屋のはず。するとグランドフロアに2部屋あるから、全部で部屋は6つ。わたしを入れて6人でシェア。バスルームはたった一つですぞ。こっちのひとはシャワーを朝浴びるから夜は使うひとが少ないだろうとたかをくくっていたがけっこう夜使うやつもいる。それに階上の住人はトイレにもバスルームを使うのだ。わたしの部屋はグランドフロアなのでいちいち階段あがって見に行かないと空いてるのかどうかわからない。
 反対に台所はわたしの部屋から一番近いのでアドバンテージ。おまけにここの住人はほとんど台所で料理をしないようだ(いつ、何食ってるんかね)。キッチンはけっこう広く、ガスレンジでオーブンもグリルもある(うふ)。料理好きのわたしとしてはけっこううれしいかも。金曜日の夜最初に部屋を見に来たときもだれもいなかった。引越しして最初の2週間は夕食時にキッチンを使うのはわたしひとり。
 ここの住人。はじめに会ったのが中国系のおにいちゃん。ヴェトナム人で近所のネイルバーで働いているらしい。同じアジア系の女の子といっしょに住んでる。いっしょに住んでるぅ?ひとりプラス。
 東欧系の女性。きれいな顔してるのに超ぶあいそ。台所で会ってもにこりともせん。毎日のように洗濯機まわしてる。もひとり東欧系の女性がいるが、いっしょの部屋に住んでるのか、友達なのか別の住人なのか、不明。この女性グラスを4つ持って降りてきてたなあ。友人が遊びに来てたのか。。。
 引っ越してはじめての週末。土曜日にまた新たな女性登場。ハローととってもフレンドリーなのはいいのだが、台所の片付けの慣れた様子に思わず『あなたここに住んでるの?』と聞いてしまった。すると『ああ、わたしはディビッドのガールフレンドで週末だけ来るのよ、ドントウォーリー』、ドンと悪い、っつわれてもなあ。週末はプラス1。
 このディビッドというのが典型的イギリス人男性。毎日主食はポテト。ジャケットポテトにするような大きいポテトをレンジでチンしたあと、オーブンに入れておき、延々焼く。今日もポテト明日もポテト。トッピングもいつも同じようなもので、ツナ缶にチーズとマヨネーズ。
 前出の東欧系(ポーランド人と判明)美女も週末かときどき彼氏が来るようで、これまたプラス1(余談、この彼氏ってのがいかついアジア系のやくざっぽいおっさんなのさ。およそ美女と野獣ってとこ)。
 やれやれ、まだいる?グランドフロアの玄関横のドアにはだれか住んでるんだろうか、と思っておりますとやっぱりいました。水曜日にインド系の女性が。ニューカッスルの両親のところにホリデーで行ってて留守にしてたのよ、ここに2年住んでるの。やれやれ彼女はひとりらしい。しかし友達とかがひっきりなしにやってくる。
 となると、平日6部屋7人で、週末になると9人になるってことよ。9人!!!オ~マイガッ。気が遠くなりましたわ。一瞬。
 そのあとの週末ティーンエイジャーと思われる若者の団体がやってきて、台所でうどんをすすってたわたしに『ハ~イ』『ハ~イ』『ハ~イ』。みなにこにこ笑って挨拶してくれるの。ひとり男の子はいったんひっこんだのにまたやってきて『ハイ、ぼく、テリーのともだち。よろしくね』と握手。めずらしいんか、わたし?しかしテリーフー??(テリーてだれや?)の心境であった。こいつら5人今晩ここに泊まるんやないやろねぇ。
 はじめの2週間はずーっと隣で洗濯機がまわっていた。それも夜、夜中まで。みな働いていると言ってたから平日の夜中にしか洗濯できないのよね。しかしうるさいわ。と思いつつも寝たが翌日朝の7時ごろからまた洗濯機の音で起こされた。とくに終わりのころのスピンのだだだだっと言う音がうるさいんだよね。まあ最低6人もいりゃ、ひとり一回でも毎日かかるよなあ。わたしは週末しか洗濯せんのだぞ(あ、しかし洗濯機が空いてたら、という条件付だなあ、これも)。そう、週末もフル回転なんですよ。洗濯機くん。
 毎夜就寝時に洗濯機の音を聞きながら寝てますと子守唄のように聞こえてくるから不思議(聞こえるか、そんなもん)。しかし使うのはいいのだが終わってもそのままにしておかないでほしい。次が待ってんだからね。朝かけといてそのまま出かけてしまってる気がしてしゃーない。ひとごとながら気になるやん。洗濯室はわたしのアドバンテージですから、終わったらすぐ使いますよん。
 共同生活の教訓1)洗濯機、自分がまわしてると思えばうるさくない 
 また掃除のおばさんが週に一回くるの。台所とバスルーム、階段、廊下と共有の場所は掃除してくれる。が、これまた大変。この方、何でも捨てるのよ。一度バスルームにおいてたコンタクトレンズケースを捨てられかけた。危機一髪で気がつき、聞いたら『中に何も入ってなかったし2週間くらいずっとおいてあったから捨てたわよ』なんで~ぇ!!ごみに見えるか?コンタクトレンズのケースが!!中身確かめるか??(ふたにレンズがはりついていた模様)掃除するのに邪魔かもしれんが、なんで?そのときはゴミ箱まであさり、やっと取り返しましたわ。おばさん、しらっとして『そこに捨てたわよ、ごみ袋の中』勝手に探せといわんばかり。捨てたんはだれや!
 きれい好きの?わたしは台ふきがないので自分で使い捨てのダスターを買って使っていたのだけど、それも1週間ごとになくなる。いくら使い捨てったってもう少し使えるよな。どうもこのひとが捨てたか持っていったと思われる。
 共同生活の教訓2)共通の場所には何もおくべきではない
 以降、金曜日の晩には捨てられたら困るものはみな自室へ避難させました。自己防衛するっきゃない。
 住人はクリーナーのおばさん含め人間ウォッチングと決め込み、与えられた自己鍛錬、人生修行と考え日々精進するのだ。ま、ほとんど会わないしね。台所で挨拶するくらい。しかし、共同生活はなかなかおもうようにはなりませぬ。たべたあとの食器は置きっぱなし。これ、つけとかんとあとで汚れが落ちひんよぉ。。。(おばさん)。テーブルは勝手に動かす。椅子をテーブルの上に置くのはやめてほしい。食べ物のせるんだから。自分だけの台所じゃないからね、わたしは自然乾燥派で洗ったあとは乾くまでおいときたいのにそれもままならぬ。りんごをかごに入れておいてたらいつのまにかなくなってた。いくら掃除のおばさんが来るったってね、日々の掃除は自分でしなくちゃ。台所のシンクを掃除したり、電子レンジの中を掃除してるのはおそらくわたしだけであろう。どうせならきれいに使いたいもんねえ。汚いより。ああ、仏の心境?日々鍛錬の毎日なのだ。

2008年10月19日          
© Mizuho Kubo , All rights reserved…..October, 2008

64 注文するのも簡単やない

 余談から行きます。ポーランド人のおばあちゃま。Me, me, me (わたしが、わたしが)のミーイズムのひとだったんです。わたしもたいがい、自己主張っ子と思うがかなりそれ以上よ。場所はとある薬屋。頼んでおいた薬ができるのを待っていたときのこと。わたしの後から来たこのおばあちゃん、レジの長蛇の列もなんのその、まるで客は自分だけだといわんばかりに接客しているカウンターのスタッフに薬の注文をしようとします。見かねた警備員が相手してあげるやさしさ。あんただけじゃないのよ、待ってんのは。年寄りだからでしゃばっていいってこっちゃあないだろが。英語もままならなくて、この薬がほしい、と見せるのだけど、ポーランド語でしか書かれてないから、何の薬かわからず店員も困ってます。ほかの店員がふさがっているので、優しく相手してあげてる警備員のおにいちゃんにも「形が丸いのがいい」だの、「もっと小さい粒のがほしい」だの手がかかります。お手上げの警備員さん、自分の仕事でもないのに、かわいそうに。わかるスタッフに代わるから待ってね、と案内するも、待ってられないの、このおばあちゃん。薬が調合できるスタッフが一人だけのようで2-3のお客を待たせながら同時進行していました。わたし、さっきから待ってんだけどぉ、と無言の目で制するわたし。前にいた親子が終わって、やっとわたしの番だというとき。「お待たせしました」とわたしに話しかけた店員に横でなにやら文句を言おうとするので、店員は「ごめんなさいね、この方が先なんですよ」とゆっくり説明するも聞かない。そう、わたしだってもう30分は待ってるんだっせ。
 一方余談の余談になるが、スーパーでのレジ待ち。ふたり前のいっぱいもって待ってる男性が、自分の後ろのひとに列を譲っていました。自分がたくさんあるから、後ろの2つしかもっていないひとに「お先にどうぞ」と声をかけてあげるのです。これは時々、レジで見かけます。わたしも譲ってあげたことがあります。ほほえましいなあ。こういうの好き。で、そのおじさん、すでにひとりに譲ったのに、そのまた後ろのわたしがミルクひとつで待ってるから声をかけます。「お先に」。いいよ、と断りました。いいよ、そんなことしてたらあなた、いつまでも自分の番が来ないわよ。
 この国では、ストレスをためないために、自分で防御策をたてねばなりません。それが健康に生きる道!!
 薬の注文サービスってのがありまして。所定の薬は GP で処方箋をもらって、それを薬屋に持っていって買います。フツーは最寄の GP に出向いて注文し(電話じゃだめなのよん)3日後、処方箋をもらうのにまたとりにいかねばなりません。2回出向く必要があるのです。 その GP ってのが、平日の朝9時から11時半、午後は4時から6時までしか開いてないので、仕事人には無理!処方箋をもらうたびに会社休むんか?どうしてんのかね、ほかのひとたちは。でもこれで終わりじゃなくて、処方箋をもらったらそれを薬屋に持っていって、薬は薬屋で買うんです。そこでBというこちらの薬屋さんですが、コレクションサービスってのをやっております。取りに行きたい1週間前に電話で頼んでおけばいいのです。GP に足を運ぶより電話一本でやってくれるから(まだ)楽。それに薬屋は土・日も開いてるし。
 平日に電話しておいて、土曜日に取りにいくようにしていました。この前、土曜日にたまたま近くにいたので、ドロップインで注文し、その翌週の土曜日に取りに行きました。できてなかったの。で、冒頭のような状況に陥り、待ってるあいだにポーランドばあちゃんが割り込みかけたってこと。
 土曜日に取りに来るってわかってたら、金曜日までに用意しとくよなあ。日本なら絶対そう。あ、失礼しました。そういう言い方はやめましょう。「わたしなら」お客さんが土曜日に取りにくるってわかっていたら、金曜日中にいや木曜日にでも用意しておくなあ。しかしこんなことで腹を立てても、美容に悪い。防御策は自分で考える。前回は金曜日に電話しておいたから、土曜日に用意されてたんだけど。土曜日に電話しても土曜日に用意される、は無理なんやあ。土曜日に取りに行きたかったら前の金曜日までに注文しておく。これだな。
 こんな、裏のうらのうらまで考えなきゃいかんとは。体験してみないとわからんわなあ。こうやってかしこくなっていくのね!こんなことで知恵使っても何の役にも立たんかもなあ。つくづく。


2008年3月29日            
© Mizuho Kubo , All rights reserved…..March, 20080






62 一夜限りのロックンロール再び

 去年12月10日にレッド・ツェッペリンのコンサートがありました。O2(オーツー) アリーナというグリニッジのコンサート大会場です。アトランティックレコードの創始者が去年亡くなったのを追悼して存命の?3名のメンバーが70年代を彷彿させるコンサートするっていうの。記事を読んですぐ、ウエブでの抽選というからすぐ応募したのに。あたりませんでしたわ、残念!!
 18000のチケットに20万人が応募したんですって。いち家族一回きり、という登録だったはずだが。もちろんただではありませんのよ、立ち見でも125ポンド!でも30年ぶりのツェップを見ようとeベイで300ポンド以上で買ったというひとも。そこまではでけんかったなあ。いくらファンでも。当初は命日の11月26日に公演だったのが、ジミーペイジが指をけがした、とかで延期。12月10日の一日だけのコンサートでした。ジミーくんとプラントちゃんは解散後もときどきセッションやってたりしたらしいけど、もとのバンド構成でやるのはこれが実に30年ぶり。ロバート59歳、ジミー63歳、ジョン61歳。ファーストネームだけだと、どっかの田舎のおじいちゃんの集団、って感じもするな。1980年に事故で亡くなったドラマーのジョン・ボーナムは息子が代役を務めておりました。お父さんの血を引いて、今もメインはフォーリナーのドラマーをやっているというジェイソンくん。
 みな壮年通り越して老年になってるけど、演奏は良かった(らしい)。のってた(らしい)。はじめは年とスタミナを気にしてか、主催者側が30分程度の演奏でいいよ、なんて言ってたらしいが、ひとつのアルバムやるだけでも45分は必要だぜい、なんてジミーが言ったとか言わなかったとか。結局2時間10分にわたり、16曲を演奏した(らしい)。Good Times Bad Times に始まり、Black Dog, Whole Lotta Love, 天国への階段(なんでこれだけ邦題やのん)を含む、最後は Rock and Roll  で締めくくり。
 セレブってつくづく得な人種よね、と思ったのが、VIP パスで見れるんでっせ。ナオミ・キャンベルやケイト・モスといったスーパーモデルのおあねえちゃんたち。
 VIP パスを85000ポンドで買ったというひともいたらしいけど。8万5千ポンドよ。
 あとむかついたのが、テレビでのインタビューに「テキサスから来たべ」「コネチカットからやってきましただ」アメリカ人。イギリスのバンドやし、ロンドンでやってんから、なんでもっとイギリス人(いや、イギリス在住人)を優先して門戸を広げんのや?ラジオのDJ のおねんちゃんも言ってた。「レッドツェップのコンサート、だれか当たったひといる?だれもいないよねえ」まあ、確率10分の1か。eベイで買いよるやつもおるしな。
 これと前後して、再編成ばやり。ローリング・ストーンズ、デュラン・デュランとか、テイクザットとか。スパイスガールズも10年ぶりの再編成。ワールドツアーにでましたなあ。くちパクと非難されておったが、5人あわせて168歳ですと。みな30代となり、歌って踊っておりますなあ。しかし、みな子持ち。だれの子やら、っていう方もいらっしゃいますが、ちゃんと結婚してるのはヴィクトリア・ベッカムさまくらいかしら。
 レッド・ツェッペリンもこれを機会にワールドツアーか!?とささやかれているのですが、どうなんでしょね。やってほしいけど、結局お金ださなチケットは入手でけへんねんやったらいっしょやなあ。一般平民にも合いの手を!!もとい、愛の手を!でしたね。

You Tube にいっぱい入ってた。みんないっぱい撮ってんやぁ。


ちょっと、プラント君、疲れてる。ジミーも。
Stairway to Heaven
http://www.youtube.com/watch?v=PFS4RZEuPVg&feature=related

Black Dog
http://www.youtube.com/watch?v=TGJfNw6qdNM&feature=related


2008年2月11日         
© Mizuho Kubo , All rights reserved…..February, 2008


 

63 イギリス列車の真実

 ナショナルレール、いわゆる、ブリティッシュレールですけど。地下鉄くんよりひどいと思いました。10月からロンドン発田舎に通っております。わたしが通勤 に使うのが、First Great Western という線で、西方向に延びております。ロンドンはパディントン駅からオックスフォードに行く線なのです。何が Great なんかようわからんけど。12月10日より新スケジュール!直行で速い電車を増やします!!乞うご期待!!!っつうんですが。朝のスケジュールは8時07分発で34分に到着の列車。それが着かんからひとつ前の7時52分発8時25分着に乗るようにしております。新スケジュール・8時07分発、40分着!!遅なっとるやないかい。何が速いねん、とひとり漫才になっております。
 初日、2日目、朝の便の到着は5分から10分遅れました。夕刻、会社からの帰り便。今までは 18時03分、18分、33分の3本だったのが、18時03分、18分、28分、
33分、48分。すごい2本も増えてる!帰りはバスの関係で、電車が遅れれば18分発のに乗れたけど、大抵33分だった。これからは28分でもOK .選択肢が増える、と喜び、ヤッター。これ、ぬか喜び。
 初日、18時20分ごろ駅に着くと
    18.18 → 遅れ 18.30 予定
    18.28 → 遅れ  18.30 予定
    18.33 →  on time(定刻)
 意味ないなあ、3便が同じような時間に出発するなんて。5分後、掲示板を見ると
    18.18 → 取消
    18.28 → 遅れ  18.32 予定
    18.33 →  on time
    18.48 → 取消 
 意味ないじゃん、本数増やしたって取り消しするなら結局増えてないんですけど。便利になっておらんのですけど。
 3日目18.18 → 遅れ  18.33 予定
    18.28 → 遅れ  18.36 予定
    18.33 → 遅れ  18.38 予定 
 またもやだんご状態。だから言ってますやろ、でけへんことはすなって。さんざん待たされたあげく、プラットフォームは人の波状態。この田舎の駅にこれだけの人がいるのも珍しいくらい。やっと来た列車は2両編成(怒)何考えとんじゃ~!!わかっとんのか~!!!自覚しとんのか~!!!(失礼!つい地が出ました)
 便利で早い鉄道をめざし、新ダイヤ改正をいたします
 お客様の意見は歓迎します反映していきます 

 うろがきてるわ、待たされるからいやでも目に入るプラットフォームの、その広告。 天気が悪いとよく遅れるし、取り消しにもなるわね、と友人が言います。イギリスの冬の天気は悪いに決まっとる。しかして遅れるのは当然か。遅れるから天気も悪くなるのか?新聞に「イギリスの鉄道はそんなに悪くない」という記事が載っていました。定刻にちゃんと走る確率は全国平均90パーセントですってよ!ほんまかいな、と言いたくなりますがね。わたしの愛すべき西ラインは83パーセント。あれでね、83パーセントね。しかも地下鉄は15分以上遅れたら切符代返してくれるのに鉄道は1時間ですって。許すな甘さを@(あっと、と読んでね)
 すごい遅れてて、大丈夫かなと思ったら前のがきてセーフってときもしばしば。どうなってんのかね。オックスフォードから長い道のり来るのに遅れるのはわからないでもないが、パディントンから(わたしの乗る)イーリング・ブロードウェイは次の駅で5分もかからないのにすでに遅れるってこれまたどーいうこと?出発が遅れるのみならず、途中でも乗降客が多いとそれで時間かかって、また遅れるという悪循環。止まる予定でなかったはずの駅に止まることもしばしば。たったひと駅の間をのろのろのろのろ、歩いてんのか、と思うくらいのろのろ運転するときもある。しかして、日により、便により、時間帯により、かかる所要時間が違うということに。同じ距離で、同じ停車駅回数なのにあるときは30分、あるときは45分かかるのです。なんでやのん??
 クリスマス・年末休暇のときがまたすごい。12月24日、27日、28日は世間ではフツーの日なのですが(25,26日は国あげての祝祭日)、地下鉄は土曜日ダイヤ、国鉄は特別ダイヤ。何が特別かというと、間引き運転。フツーなら4本ある列車の数が2本になります。この期間出勤してはオフ、休んでは出勤のため、定期が買えず「日帰り往復割引」というのを毎朝買っておりました。平日の9時半以前に出発すると、ピークのため9ポンド60ペンス、オフピークや週末だと少し安くて7ポンド20ペンス。24日の朝、当然9時半前に機械で買おうとすると7ポンド20ペンスの選択肢しかでてこない。ダイヤも週末ダイヤだから料金も安いのだ、とちょっと得した気分。が、その切符で自動改札を通ろうとすると「係員呼び出し」になってしまうのでした!失礼してるよね、機械はオフ料金の切符しか売ってないのに改札は調整ができんのや。また横手の係員のいるゲートまで行って入れてもらう始末。
 27日はついに列車がこない!という事態を初体験しました。掲示板には1時間遅れで次の列車の時間がでているものの、その時間になっても列車はこない。いつもはある到着アナウンスもない。プラットフォームに係員がいて、お客さんが何か聞いては諦めたかのようにでていってしまう。何事かとわたしも「メイドンヘッドへ行きたいんだけど」と聞くと「リッチモンドまで地下鉄で行ってそのあとウィンザーへの列車かバスにのり、また乗り換えてバス」それ、なに?わたしどこ?って感じでした。次の駅で脱線事故があって、途中のスラウまで通行止め、バスで行け、とのこと。そのバスっつうのも代替バスとかでなく、ローカルバスを乗り継いで行けってことらしい。しばらくすると、説明が地下鉄でヒースロー空港まで行って(もちろんそれまでに乗り換える必要がありますのよ)そこからバス、になっている。会社に電話したら来なくていいということなので(これまた気楽な会社やけど)ラッキィとばかりに購入したチケットの払い戻しに行くことに。列をえんえん並んで待ってさて、と払い戻しして頂戴、と言うと、これ、あと10分くらいで列車が来るよ、って。えーだったら出勤できるやん、で哀しい働き蜂の性(さが)、またプラットフォームを降りたのですが、電車はきそうにもない。プラットフォームの係員いわく、10分やそこらじゃ無理(わたしもそう思う)、今やっと故障した列車を線路からどけて、整備してるから、どのくらいかかるかわからんという。「メイドンヘッドへ行きたいんだけど」と言うとローカルバスを乗り継ぎ乗り継ぎでえら~い時間かかるわよぉ、そこまでしていくのぉ、って感じの説明。御用とお急ぎでない旅行はお控えしなすって、という感じですなあ。また切符売り場に戻り、列に並んで待ったあげく、「払い戻しして頂戴」。まあ、これが忙しい時期なら、這ってでも行かなきゃならんのでしょうが、わたしもすでにお休みモード。この朝だけでどっと疲れました。
 ナショナルレールにはいやほどつきあっておるという友人いわく、クリスマス時期の列車はさいあく。身にしみて感じた一件でした。週末休みのあと、31日もどうかなあ、と心配だったのですが、なんなく会社に行き着けました。あ、もちろん、列車は5分遅れ、とろとろ運転つき、休日ダイヤよ。帰路も予定時刻の10分遅れだったために待つことなく列車に乗れ、やれやれ。日々どきどきはらはらの田舎通いです。
 ついに先週の金曜日。帰りです。クリスマス正月気分も抜けないのか、あいかわらず、「取り消し」の赤い文字が掲示板にある中、18分発が36分予定になってて、そのあとの28分発が定刻という(定刻、っつうのがフツーと思うのだがね、毎日遅れない電車のない日はない、ないないづくし?)あとのが先に来てそれに乗りました。この電車は各駅停車じゃないので、ラッキィと思っていると、あと5分ほどでイーリング・ブロードウェイというところで止まり、動きません。しばらくして運転手のアナウンス。接続故障のため、この列車はここで終わります。折り返しレディングに戻ります。およよ、待ってよ、こんなとこで降ろされても。ここどこよ?その駅はサウスホールSouthall  という本来なら止まらない各駅停車の駅です。ここはロンドン近郊随一のインド人タウンなんですが、まあ、その説明は次回として、こっからどーやってイーリング・ブロードウェイまで帰るんや。もちろん、振替えのバスとかもなし。207番のバスでイーリングまで行けたと思うけど、バス停はどこ?駅の前からはそれらしき番号はない。ロンドンまで行くひとなんてほんとにここはどこ?どーやって行き着けるん?
 係員に抗議(ほとんど怒鳴って)してるひともいたが、らちあかず。Southall じゃなく、Arsehole だと言ってるひともいました(意味知りたかったら辞書引いてね)。でもね、こういうときに怒鳴ってもだめなの。テンションあげて無駄なエネルギー使ったって、なーんにもならない。なーんもしてくれん。あらかじめ線路工事とかで運行しないときは振替バス出すんですけどね、こういうのは予想できないからでしょう。わしらも知らん、責任ない、ってなもんで。降ろして終わり。復旧するのを延々待つ、か、代替の方法(たいていはローカルバスを探して帰るしかない)。この二つ以外に道はない。怒ってるひまはないで。
 ロンドンでもクリスマス休みあけ早々、リバプール・ストリート駅が閉鎖。地下鉄とバーミンガムやノッティンガム方面からの列車が発着するシティに近い大きな駅。閉鎖の理由は休み中の線路工事が終了しなかったため。聞いて呆れる、聞きたくもないその理由。重要でない場合は旅行をお控えください、やて。世間は2日から仕事始まってんのよぉん。働けよぉ。
 も~、聞いてよ、とネタが増える一方の電車編。
 わたしが使っているこの First Great Western は Worst Late Western ともじられておりました。国内最下位!何が最下位かというと、定刻の正確さ。深~くうなずくわ。さて次はなに?ナショナル・レイルとつきあって3ヶ月足らずで、怒るより楽しむ心境に入ってまいりました。すでに腹くくったかなあ。人間、できてきたもんや。
 と思ったのに、この線がストライキする、ですってぇ。
 遅い、取り消す、ちゃんといかんのに、ストライキぃぃぃx。働けよ!!

(後日談・ストライキはなくなりました。トーゼンやろ)


2008年2月11日               
© Mizuho Kubo , All rights reserved…..February, 2008

61 ロイヤルオペラハウスを安く見る方法

 ロンドンでオペラとバレエが好きな方々にはロイヤルオペラハウス(ROH)は登竜門。
 昔の雰囲気を残しながら新装なって、とっても素敵。でも観劇のチケットはお値段も高い!バレエはまだしも、特にオペラとなると、高く感じます。
 自分が過去に購入した歴代のチケットを見てみると、昔の豪遊?に比べ最近はどんどん安いものになっていくのが一目瞭然でわかります。
 数見るためには高いチケットは買っておられません。安くおさえなきゃ。
 ということで、いかにROH のチケットを安く、リーズナブルに手に入れるかというワザが必要となります。
 まず、ここのお席ですが、大きく以下のように分かれます。


 オーケストラ・ストール いわゆる地上階(1階)の真中の席
 バルコニー     日本でいう2階席
 アンフィシアター  バルコニーよりもひとつ上でかなり(標高が)高いところまで席がある      
 アッパースリップ  舞台に近いが、標高もかなり高い。天井桟敷ですね。
 立見席もございます


 座席マップはこちらから

ワザ1) サイド狙い
 この中でお勧めは断然舞台にほど近い、横っちょのサイド席。
 Stalls Circle Side  オーケストラ席から一段上がった舞台に近いサイドの席
 Balcony Side      バルコニーの舞台に近いサイドの席
 Lower/Upper Slips  アンフィシアターレベルの舞台に近いサイドの席


  なぜ、サイドがいいか、というと、この劇場は構造上、馬蹄形になっており、奥が深く、端の方がせまくなっているので、舞台と対面の奥の真中に陣取るより、むしろ舞台に近い端の方が距離的にも近く、見やすいのです。
 サイドの席は、右と左に分かれますが、LEFT (左)側 がなんと言ってもお勧め。お勧め理由  
 1) トイレに近い 2) アンフィシアターのバーに近い
 これ、右 RIGHT に席を取ってしまうと、ぐる~っとまわって右から左へ横断してトイレ、バーに行く必要があり、真中部分の出口を横切るだけで、すごい時間がかかります。あるときなど、20分の休憩時間のおよそ半分の時間を移動に費やし、無駄にしてしまったことがありました。そうなると、幕間の飲み物なんて優雅にゆっくりやってらんない。トイレにもいけない。
 実例1、バレエ(出し物は「白鳥の湖」)で取った席は Lower Slip  のレフト。天井桟敷の一段下で、かなりの高さがあることには変わりないが、舞台に近いだけあってオーケストラと舞台を上から見下ろす感じ。なかなかいいですよ。それにこれで11ポンドだもんね。8ポンドの席もあったけど、そうなるとほとんど舞台だから、かなりの制限付き視界となります。11ポンドの席も一応制限付きなのだが、そんなに気にならなかったです。それに、値段が値段だから文句は言わん。許せる。
 いつも左がいいかというと、それも考える必要ありです。制限付席ねらいだと出し物によって座るところを考えないといけません。左に座ると当然、舞台に向かって左端が見えないわけで、そこで踊られると見えないリスクがあります。音楽だけ聞こえて、踊り手はどこ?って感じなの。サイドの席はみな「視界に制限あり」なんです。だから安い。


 ワザ2) 当日券をゲットする
 このワザは仕事がオフの日か、土・日とかにしかできませんが、早起きは30ポンドの得!(冬場は寒さと暗さに耐えねばなりませんが)
 ROH では67枚の当日券を毎パフォーマンスごとに提供しています。ボックスオフィスは朝10時に開くので、その前に並びます。10時に行ってたら遅いわよ。でも出し物と出演者によってはそんなに早く行かなくても。。。その辺の判断がむつかしいところですが、いい席がほしかったら5時起きというひともいました。この当日の列に並んでいるひとはけっこう、フリークが多い気がします。またひとり一枚のみ購入可能なので、友だちの分もいっしょに、なんてことはできません。
 実例2、去年の「トスカ」の場合、土曜日でしたので、朝7時半に並びました。美人の歌姫アンジェラ・ゲオルギューに恋人役はマルチェロ・アルバレス、おまけに脇を固める悪役のスカルピアはブリン・ターフェルという3大歌手の出演で、人気があることは間違いない。で、到着したら列の30番目。ゲットしたのはストールズサークルのサイド 前から3列目のC列 31ポンドなり。ひと筋前のB列なら41ポンド。でも、ひとつ列が前だというだけの問題で10ポンドの差は大きい。視界に大差はない。お金を取った、わたしたち。さて舞台は?すごい近い。感激の近さ。オペラグラスは不要でドレスの模様まで見えちゃう!下から見上げる感じなので上方がちと見にくいけど、オッケー。まわりにいる人たちは朝いっしょに並んでいたひとたち。みなさんちゃんとオペラ観劇用に着替えているのですぐに同じひとだったんだとわかりませんでしたが。
 日曜日のパフォーマンスだと11時にオフィスが開くので、平日ほど早く行く必要がないですし、3時開演のため、待っている時間に無駄がないでしょう。11時半にチケット購入が終わったとして、ランチをゆっくりそこらへんで食べて戻ってきて開演に備えることができます。でも、日曜日のパフォーマンスは少ないです。
 お値段のはるオーケストラ席(ストール)やアンフィシアターの真中のチケット代くらいの料金を出すのだったら、むしろサイドを取るなあ。お値段も安いし、一石二鳥?


ワザ3)売出日にオンラインで購入する 
 新しいシーズンの売り出しと同時にオンラインチェックぅ!!
 ウエブでメルアドを登録しておくと、新しいシーズンの売出日を知らせてくれます。売り出しが終わっていても、比較的早めに手を打てばいい席が手ごろなお値段で取れるときもあります。賭けのような、ゲームのような、スリルも楽しめます?
 実例3、午前10時売出開始の5分前くらいからちらちら、ちらちら、ウエブにアクセスするもなかなか予約がゴーにならないのです。10時にそれ、っとトライ。席を取った、はよかったがコンピュータの反応がすっごい遅い。ひとクリックにすっごい時間がかかっております。多数のひとたちが一時にアクセスしているからでしょうね。席を取ったら30分以内に予約から支払いまで完了しないといけないので、あせる、焦る。席番は自分で選べないので、いろいろやってみたいのですが、そんなことしてたら時間くうだけ。念願のボックス、それもレフト側の舞台から2番目をゲット。ほっとして、一旦完了したあとに、もいっかいやってみよう、とサイトに戻ろうとしたら、もう入れない。サイトに入るのに「300人待ち」の状態になってしまいました。
 バルコニーのボックス席は10しかないので、(しかもお目当てのレフト側は5つ)必死でしたね。1つレフトを確保し、次もう一度同じところで取ろうとしたらもう取れるのはライト側になっていたので、これは売り出し5分以内が勝負と見た。

 最後に)究極のワザ!ともだち集めて夢のボックス席。
 至福はボックス席で優雅に、というのが夢。ボックス席も二種類あり、グランドティアのボックスはバレエでも手が出ませんが、バルコニーのボックスなら思ったよりリーズナブルです。同じひとつのボックスの中に2種類料金があり、まとめ売りなので、4席を一度に買わないといけません。フリーク仲間が4人集まれば自分たちだけのグループで専用で楽しめます。最近トライしたオペラのボックスでは4人で割るとひとり39ポンドなり。でもこれ、実際にボックスで座ってみると不評でした。というのは4席のうち、2席が前で、2列目にまた2席というたて2列構造になっております。一列に4席並べられないので、2列目のひとはちと見にくい。インターバル休憩で交代するものの、不満は残った模様です。箱の番号で違うようで、左隣の箱のひとたちは4つの椅子を一列に前に並べて見てました。わたしたちの箱はせまくてそれができませんでした。しかも後列の椅子は背が高いストール椅子なので前に並べると底に落ちていきそうで怖いのよ(笑)椅子の種類もね、ベンチシート(長時間座るとおしりがいたい)、固定でないストールの高椅子型(足の短いひとは注意)椅子だが固定でない、といろいろです。
 ボックス席も「視界に制限あり」なのです。そらね、160ポンドも一回に払えるなら、360℃視界の真中に座れるのでしょうけれどね。予算内でどの席が一番いいのか、なおも研究は続きます(まだ見に行くってことぉ??)


2008年1月15日        
© Mizuho Kubo , All rights reserved…..January, 2008

59 意味あるおいしさ、イギリス料理番組

 イギリス料理は存在せず、イギリスの食べ物はろくなものがない、という定説がありますが、テレビの料理関連の番組は多いです。それもただ、作り方を紹介する、のではなく、いろんなコンセプトがからんでおります。
 BBC2 で先日までやってた「Nigella Express」。カリスマ美人女性料理研究家ナイジェラ・ローソン。長い髪をまとめもせず、主婦感覚で、仕事しながら素早く美味しくできるカンタンレシピ(わたしの料理みたいや?)の紹介。拝見したところによると、レモンの皮をおろして使うのと、煮込みの料理が多いような。。。ねぎ(サラダオニオン、とエゲレスでは言う)や和食の材料もお好きなよう。真似してさっそくやってみよう、という気になります。「素早く」というところがミソなので、できあいの食材を一部使うところも。コスト的にどうなんかねえ、とついビンボー根性で口出ししてしまいそうになります。いくつかやってみましたが、確かに簡単でおいしい。自宅で料理してます、という設定で、素敵なキッチンを覗き見している気分。それこそ世界のいろんな食材・材料、調味料なんかがパントリーと言う倉庫に入れてあるの。冷蔵庫も冷凍庫も食材ぎっしり。ねぎなんて料理バサミでちょきちょき、なんて切っちゃって、実在感があるのか、離れた世界なんか、ようわからんですが、楽しい番組です。終わっちゃったと思ったらまた始まるみたいで、乞うご期待。これが始まるとペンを片手にレセピをメモるのに忙しい、忙しい。BBC のウエブでもレセピが見れるのですけどね。
<割り込み> http://www.bbc.co.uk/food/ から search でNigella Express にいく
 チャンネル4では Jamie Oliver。でました。ひさびさ「裸の大将、ならぬ、はだかのシェフ」。自宅のキッチンで、庭の野菜やハーブを使ってつくりつけのかまどから料理です。いいなあ、大きくて、かまどまである(バーベキューセットじゃないよ!)庭で。彼の料理も簡単で、一見フツーで誰でも出来そうなのに、どこかちょっとプロっぽいひねりがあって、うん、なかなか、とうなずけるレシピが多いです。
 この番組のあと、「Cook Yourself Thin」という、スリムになるための番組。ダイエットグルメのレシピをドキュメンタリ風に紹介する番組だったのですが、それも終わってしまい、残念。同じおいしさで、いかにカロリーをカットするか、というもので実務的。
 BBC2 のThe Restaurant。これけっこうファンでした。ミシュランの星を持つ、オックスフォードのマナーハウス「マノワール・キャトル・セゾン」を運営するフランス人シェフのレイモン・ブランが自分の店を出したいという夢を持つ9組のカップルにレストラン経営をさせ、テーマ別試練を毎週与えて最終的にひとつのレストランに絞る、というお試しビジネスヴェンチャー番組。レイモンのお抱えインスペクターが各店を視察に行って評価するという。みな玄人じゃなく、半素人だからなのか、手順が悪いだの、インスペクターにわざわざ黒焦げのトーストだしたり、だの、レイモン(いわゆるボス)の指示を無視する、だの、イギリス的っちゃあ、イギリス的であります。料理のレシピがどうの、というより、レストラン経営のための経過やマネージメントの問題を捉えていて、けっこう面白いドキュメンタリーでした(やらせかもしれんけど)。
 参加者のひと組、ガーナ料理の店がポートベロ・マーケットで屋台してるの見ました。「あの、テレビ番組で紹介された」というたれ幕のもと、露天屋台でテイクアウェイを売ってました。商魂たくましいよなあ。道行くひとも「あ、これ、テレビに出てた、きっとおいしいよこれ」なんて列に並ぶ始末。メディアの宣伝力ってすごいなあ。しかし、番組はまだ続いているのに、こんなとこで油売ってて(いや料理売ってて)いいの?もしくはすでにこの店はコンテストに勝てずに閉鎖されたのか(結局録音後だったんだと思うけど、この店は優勝ならず)?
 ある週のテーマはレイモンが好きな「うなぎ」がテーマ。この食材を使って新メニューを考え、売上をあげるというのが課題。生けのうなぎが業者から運ばれシェフたちは<割き方>まで専門家に手ほどきを受けるのですが、このイギリス人には不慣れな食材にみな大騒ぎ。ある組の奥さんなんか「気持ち悪い」と見てられないの。レストランに来たお客さんにまで「生きてたのよ、こうやって動くし、気持ち悪いし、すごいのよね」なんて、おいおい、きみ、挑戦者としてこれはテーマなんだから、うなぎメユーを勧めて売らないといけないのにそんなこと言ったらお客さん、うなぎ食べないぜよ。
 見てるといろんなヒントが考えられて意味深い。ふたごの姉妹はなかなかやり手で、売り上げ促進のためにウエイトレスのセールス No 1 にはマニュキアの無料券をご褒美として提供してセールス力を鼓舞したり、とか。アイデアで勝負、って感じでした。安全圏で勝負してる、とレイモンのインスペクターには批判されてましたが。いいと思っててもそうか、プロにはそういうふうに批判されるのか、とか。
 ITV1 は定番 Hell's Kitchen。これも終わってしまいましたが、F*ワードシェフ ゴードン・ラムジーに並ぶ双璧マルコ・ピエール・ホワイトが今回シェフ。ロンドン市内だけでも十指に余るレストランチェーンを展開しておる有名人フレンチシェフですが、どうなんだろ。飾り付けはいつも同じようだし、ケチャップをよく使うし、なんかあまりおいしそうでも高級そうでもないんだけどね。見てても。いつぞやマスコミのインタビューで「おいしさの秘訣は?」と聞かれて「クノールのチキンブイヨンを使うことだよ」と言ったひとだからなあ。それにフレンチのくせにメニューが「シェパーズ・パイ」とか「フィッシュ・パイ」ってど~いうこと?
 番組は男女の俳優や歌手などの有名人を挑戦者に集めて特設レストラン Hell's Kitchen に来るお客さんに料理を出すのを競うというセレブ対決という内容。視聴者投票も入り、優勝者を競うというしくみです。料理したことないわけではないんだろうが、さかなをさばいたり、鶏をさばく場合に内臓を出したりするのに悲鳴をあげる挑戦者もいます。まあ、気持ちいいもんでもないけど。料理しにきとんだろが、っておばさんしたくなるよね。まあ、真剣に見ずに娯楽番組と思って見ればいいのだ。
 このシェフ、最近サッカーのチェルシーの本拠地、スタンフォード・スタジアムの中のレストランをオープンしたのですよ。その名も「マルコ」。評判や、いかに。
 新しい料理番組が次から次へと展開されるイギリスのテレビ・今日この頃です。


2007年11月17日              
© Mizuho Kubo , All rights reserved….. November, 2007


60 クリスマス・パーティ騒ぎ

 マーケットや花屋さんの軒先でクリスマスツリーが(もちろん、なま、ですよ)売られだすとクリスマスが近づいたなあと実感します。オックスフォード通り、リージェント通りのイルミネーションが去年とそう変わらなくてもクリスマスだな、と雰囲気は味わえます。家々のイルミネーション、アメリカほど派手でなくても、今年はエコで、無駄なエネルギーを使わないのがスマートになってきました。今まではきれいだなあ、と感心するだけでしたが、今年は無駄遣いをしてるな、とちょっと違った見方ができるかも。
 得意先のクリスマス・パーティに会社の同僚たちと行くことになりました。で、テーマが決まっていて、RAT PACK というのです。ねずみのパックってなんじゃいな、と思っておりましたらフランク・シナトラの映画にあったそうで、それをフューチャーして1950年代 60年代の服装とかにしないといけないらしい。。。服装コード・女子は「パーティ・ドレス」。パーティ・ドレスぅ???前のカスタマーサービス係時代にお客様の前にいつ出ても恥ずかしくないように、とスーツの類はたくさん持っておるが。。。それじゃ、あまりにかしこまりすぎ?花がなさすぎ?
 今までの会社のパーティだと「体操服」でよかったもんね(詳しい説明は省略)。パーティ。。。だから。同僚に聞くとひらひら、とかきんきらきらの「ドレス」で行くらしい。そういう類は持っておらんから、買わなきゃ。さて、ブティックやらお店に行くと、季節柄、売ってる。売ってる。今まで気にしなかったけど、きらきらちゃらちゃらドレスはいっぱいあるある。でもきらきらちゃらちゃらドレスなんて趣味じゃないし、パーティのためだけに買うにはもったいなさすぎ。これまた苦難の選択、ですなあ。しかし、こちらのドレスって(わたしのようなつつましいサイズの持ち主には)胸があきすぎ。そでなしや肩のないドレスはひっかからないし(どこに?)、寒いし。ベルベットのひらひらスカートとシルクのブラウスに決定!まではよかったが、それだけじゃ、寒い。で上着がいる、結局ドレス代くらいかかるかなあ。
 「ドレス」だけじゃないのよ、くつ、でしょ。バッグでしょ。ジュエリーでしょ。コートもそれにあわせて素敵なのがあったらいいんだろうが。。。ああ、気が遠くなりそうである。しかもあと1週間遅ければセールの大波、っていう時期なのに。男のひとはいいよなあ、蝶ネクタイさえつけておけば?何着ててもわかんない?し?(失礼)あの、セレブたちが平日の夜中にクラブに繰り出す、ああいう派手ドレスよねえ、望まれているのは、きっと。でもおんなとしてはやはり、着飾ってそういうとこにいくっつうのが楽しみでもありますのでしょうなあ。とひとごとのように。わたしはおんなではないのでしょうか。テーマ別貸衣装店ってのもあるらしいが、まあ、いいのひとつあればオペラ観劇にも着ていけるかな。しかしパーティが2日続くのです。2日目も同じ服装でいいや、と思ってたら、同僚いわく、はじめのはパーティ色が濃く、きらきら派手派手だけど、2日めのはどっちかと言うとただ食べて飲むだけ、だから服装も変えるんだって(どひゃ~)。食べて飲むだけ、ったって、ホテル(田舎の)で着席スタイル3コース・ディナーなんですけどね。
 ラットパックに戻って、50年代といえば母のむすめ時代。電話してドレスの話をしていたら「あるで、わたしが若いころ着てたベルベットの素敵なやつ、送ったろか」やて。いやあ、わたしには母の細身のドレス はサイズがあわないと思うから断りました。でもおかあさん、そういうドレスってヴィンテージドレスいうんやから高く売れるかもよ、処理せずにおいときや、と言ったら笑ってました。きっとこの娘はアンティークやらヴィンテージやら中古品が高く売れると思っておるとあきれておるやろな。 
 さて、当日は会場に到着すると、バーでお飲み物。立って飲みながらえんえんくっちゃべっております。いつになったら着席してお食事?おなかすいたなあ、なんて思っております。この時間を利用し、ちらちらほかの女性陣の服装もチェック。さすがに黒が多い。いや、ほとんど黒。ハンで押したように黒。きらきらのひともいるけど、フツーのひともいる。みなさん、そでなし、肩だし、胸だし、だわね。テーブルにセットしてあるクリスマス・クラッカーをパンパンとひっぱって中から紙の王冠を取り出し、かぶってみんな「キング・アンド・クィーン」。何がはじまるのかと思ったらやおら「うたいて」の方がお出ましになり、ブルースちっくなナンバー(おそらくフランクシナトラのもあったのだろう、不確か)をいくつかお歌いになり(だれも聞いてないよ)食事がサーブされました。3コース・ディナーのあとはディスコ・タイム。新旧の歌、曲、クリスマスソングなど、取り混ぜて、踊るんだなあ、みなさん。 さて、帰宅は午前様です。4時間の睡眠後、翌日というか当日。いつもと同じ時間に出社。アフターファイブはまた別のパーティ。老体には2夜連続の午前様はつらいものが。しかし、セレブたちはこれ、毎日やってんだろうね。しばしのセレブ気分。パーティ・ガールのクリスマスよ。

2007年12月24日               

© Mizuho Kubo , All rights reserved….. December, 2007


57 才能買います

 テレビで「Britain's Got Talent 」という番組をやっていました。視聴者参加番組というのでしょうか、ロイヤルバラエティーショーの出演者を一般公募して、みごと優勝したひとは女王陛下の前で才能を披露することができるという。。。これもBritain's Got Talent であって、England's Got Talent でないところがミソかな?スコットランドからも来ております。ともあれ、いろんなひとがいろんな芸で、我こそは、と自分の特技をステージで披露します。それこそ、歌あり、踊りあり、10歳のコメディアン、アクロバットあり、グループのダンスあり、ミュージカルから歌って踊る子供のグループあり。
 80歳の男性がタップダンスを披露。タキシードに身を包み、紳士。おじいちゃん、ちょっと足元大丈夫かな~、っていう危ういとこもあったんですが、年はとっても前向きでがんばってる!って感じ。亡くなった奥さんにささげる、と言ってました。
 動物を連れてくるひとも多く、馬といっしょにダンスしようとしたがちゃんとダンスになってなかったり。犬といっしょに歌おうとしたけど、犬がひとことも(ひと吠えも?)発声しなかったり。一発勝負だからねえ。
 マドンナばりにコスチュームも決めたダンスの先生(おばちゃん)。セクシーなアクロバットの夫婦。小さいときからバトンをまわすのが特技だったのに両親に反対され、おばあちゃんに教えてもらったというユニークなバトントワラーの男の子。
 セレブの審査員3名が2名OK なら予選通過。審査員がだめでも会場のオーディエンス(視聴者)から「なんでだめなのよ、いいじゃない、審査員ブー」、が入って通過するひとも。反対に審査員がブザーでX(バツ)をつけるとだめ。バツが3つつくと、芸の披露途中でも強制退場。
 舞台に立った途端に緊張したのか歌えなくなるひとや、ねこを連れてきて、なにかしようと思ったのでしょうが、舞台にあがったら、ねこの一匹がステージからそでにひきさがって逃げちゃったりとか。笑えます。みな真剣で、なんとか女王様に自分の演技、特技、才能を見せたい、とがんばります。衣装も毎回変えてがんばってるのよね。
 審査員のコメントがまた、おもしろい。シビアなものあり、笑えるものあり。顔中せんたくばさみではさみだした人には、またたくまにブザーが鳴り3xバツ。退場。それは才能じゃないだろう、って。そら、そうだわなあ。
 誉める場合は形容詞が楽しくて、いろいろと勉強になります。


 Absolutely がまず頭につき、 breathtaking, excellent, fantastic, lovely, marvellous, phenomenon, stunning, super-talented, unique, wonderful...(以上アルファベット順)


 ちょっと使えるかな、これ覚えてたら。「こんなの、わたしの人生の中で今まで見たことない、素晴らしい」っていうのが審査員たちの最高の誉め言葉だったようです。
 さて、イギリス各地から集まったひとたちが、マンチェスター、バーミンガム、ロンドンのオーディション会場に集まり、芸を披露し、予選へと進みます。合格して次のステージへと進むひとは応援団もいっしょにがんばっていて、家族やら友人やらが、一致団結して会場に集まり応援。志願者本人の顔入りTシャツをちゃっかりつくって会場でそれを着て応援してたり。すごいですね。いつのまにつくれるんだって感じ。応援にもリキが入っています。
 2週間の激戦を勝ち抜き、最終選抜に残った6組とは?
 * ラップダンスの若い男の子数人のティーンズ・グループ
 * ぬいぐるみを使った腹話術ならぬ、人形使い?って言うんですか?の男性(音楽にあわせ
  てぬいぐるみをあやつる)
 * ミュージックにあわせシェーカーやボトルを振り回し、カクテルをつくりながらパフォーマンスす
  る、2人組男性バーテンダー
 * ミュージカル歌い(この女の子、12歳)
 * シンガー(この女の子、6歳!)
 * オペラシンガー(携帯会社のセールスマン)


 この中から、審査員と聴衆と一般の電話投票で一位を選ぶのです。
 12歳の女の子は初回マイフェアレディ、次がメアリーポピンズ、最後またマイフェアレディのお父さんの歌で締めくくり、歌、踊り、演技力ともマル。審査員をして、きみをミュージカルにプロデュースしたい、と言わしめるほど。
 特に印象に残ったのが、6歳の女の子。2歳のときから歌を歌っていた、という、つわもの(?)。おかっぱの長い髪で、笑顔がかわいい、あどけなさなのですが、マイクを持って歌いだすと、どすが利いてて、節回しなんかは演歌なみ!とっても6歳とは思えない伴奏なしでの歌いぶりと度胸。ちなみに歌は「Over the Rainbow」。これ、すごくいい。また聞きたい、と思わせる深みのある歌い方と声。
 視聴者一般電話投票の結果、栄えある優勝の栄冠を獲得したのは、アリアを歌った男性でした。歌は有名なトゥーランドットの中のアリア「誰も寝もやらず」。歌詞の最後 Vincero!(勝ち取るぞ!)そのままに優勝となりました。オペラの中では姫を「勝ち取る」んですがね、あ、またひとこと多い?
 しかし、みなすごいです。自分の才能にかけてる、がんばるエンターテイナー、って感じ。6歳の女の子に戻るけど、大会に参加して決勝まで来た感想は?と聞かれて「今までの人生の中でいちばんうれしい」って。この子、6年しかまだ生きてないんだけどね。
 そう、この番組に感動して最後まで見つづけたのは、意味があります。一生懸命なひとたちを目の当たりにして、失業してつらい?求職活動の中、自分の励みにもなるよう、したためてるからにほかならないんです。うわあ、勝ち取るぞ!(?)


 <追伸>これ「America's Got Talent 」としてアメリカでもテレビでやったらしい。日本にも
    上陸するのかしらん。


2007年7月6日        
© Mizuho Kubo , All rights reserved…..July, 2007



58 日本の夏・緊張(キンチョー)の夏


 10年ぶりの日本の夏!こらもう、暑かったわい。暑いというか、朝から蒸風呂サウナの中にいる状態。でも、祇園祭りに天神さん、(京都の)大文字焼き、(奈良の)* 燈花会、(地元の)花火大会、盆踊り、卒業以来の小学校の同窓会、と行事は満載。
 日本にほぼ一年に一度くらいは帰国していますが、仕事の関係上、今まで夏に帰るなんてことがなかったのです。春先か、休みの取りやすい年末とか。だから幸か不幸か今回の夏の帰国はイギリスの涼しい夏に慣れた体にはとってもびっくり。日本の夏ってこんなんやったんやぁ。夜はカエルの合唱で子守唄、朝はセミのめざまし時計のような大音響でたたき起こされるという毎日。セミって、ミーン、ミーンという鳴き声だけやないで。ジジジジジぃ~もしくはビンビンビン、ってのも。イギリスにはセミとゴキブリはいない、というとびっくりされました。蚊には敵(かたき)のようにあしから腕から刺されるし、蚊取り線香で焚き出し、お香(こう)代わりにしておりましたの。おほほ(はは)
 しかし蒸し暑さよりもセミの大合唱よりも今回の逆カルチャーショックは日本語。10年のイギリス暮らしで日本語が後退したのか?もともとなのか?英語が母国語となってしまったのか(そんなことあらへん)?自分でもあきれた醜態の数々。恥を恥じとも思わず公開してしまいましょう。


1)スーパーで
 いらっしゃいませ、に続く言葉はほとんど社交辞令と聞き流していたので大失敗。
 何を聞かれても「はい、はい」とうろ返事をしてたら、何度も聞かれて終わりそうにない。よくよく聞いてみると
 「会員カードはお持ちですか?」
 わたしが「はい」と言っておきながら出そうとしないので不審がられていたのでありました。
 これを言うと友人にロンドンのスーパーにはそういうのないの?ときかれました。はい、ございます。テスコとセーンズベリはカード持ってます。やのに日本では使ってないから関係ないと聞こうともしてなかったのです。なんでやろ?=単にひとの言うこと聞いてへんだけや、という声も。


2)○○はおつけしますか?
 これもスーパーが多いですが、日ごろより地球環境理由で(えっらそうな)むだなお箸やスプーンは断る習慣をつけているエコわたし。
 あるパン屋さんのレジで店員さんのことばが理解できなかったので「え? 今なんとおっしゃいました?」と思わず聞き返してしまったのです。
「おしぼり おつけしますか?」
「(おしぼり、だったのね)ああ、いりません」
 サンドイッチを買ったのでそう聞かれたようでした。
 いろんなもんがついてくるんやな、日本て。
 (お弁当の)お箸、いりません、(デザート類の)スプーン、いりません、を繰り返してたら、暑い日中にアイスクリームを買って持って帰るつもりだったのに、ドライアイスをおつけしますか、に「いりません」と反応してしまい、大後悔。冷や汗もんや。


3)読み違い、おお勘違い
 夏はうなぎだ!
 うなぎの ひつまぶし ⇒ ひまつぶし
 言うとみなさん、よくある、わたしもやる、ということでした。
 私鉄電車の駅の構内広告。小学生あてに作文募集の広告でした。
 わたしとみんてつ ⇒ たわしとあんみつ
 よっぽど甘いもののこと、考えてたんやろね。しかしへんな組合せと思わんかったんか。


4)テレビがうざい
 コントものやバラエティーショーで、出演者やらがしゃべる言葉をいちいちテロップ(?っていうんですか)で画面にでてくる。字幕のように、また、言うひとによって色を変えてでてくるのがなんともうざったい。言うだけでなく、下に言葉を入れて視覚に訴える方がインパクトが大きいんかね?日本語って視覚文化だったのね?読み仮名までついてるで。


 ドラマを見てたら会話がすべていちいち下にでてくるので、うざったいわあ、なんとか

                           じまく        ひつよう          ちくいちがめん とうじょう  みみ き
ならんかね、ここまで字幕のように必要かね?逐一画面に登場する。耳で聞いたことを
    がめん  もじ   かくにん                                   いか               じまく
た画面で文字で確認せなあかんのか?とひとりで怒っていたら、「字幕」ボタンがオンになっていたからだった(笑)。リモコンてすごい?


5)テレビがおもろい
 とはいえ、やはり、チャンネル数がイギリスの3倍以上あり、朝から晩まで芸能ニュースを満載しているテレビっていうメディアはすごいですなあ。セレブのだれとだれの動向が、どうのこうのっていうのが、1週間テレビ見てるとすべて把握できるようになりました。自慢するこっちゃないか。
 で、あんなにテレビ三昧の毎日だったのにロンドンに帰ってきて、あのすごい日本の番組群がなくてもなんともない。月曜日はこれ、見て、火曜日はこれ、、、なんていう毎日の日課となった続きもの番組も、しらっと忘れています。はしかのように一過性のものなのか。。。一過性の使い捨て文化なのか。流行っては廃れる文化なのね。もしくはわたしにすっごい順応性があるのね(?)


<著者注>
 燈花会・とうかえ、と読みます。10年ほど前から始まったようですが、奈良公園周辺のお寺など歴史的建造物やそこへ行くまでの通り、川辺、池の傍にろうそくの灯をともし、夏の夜を幻想的に演出しています。さながら灯りの花が咲いているよう。お盆のころって、季節柄いろんな行事があってそれが昔からある宗教的行事に基づいているものが多いんだなって感じた次第。

2007年9月7日                  
© Mizuho Kubo , All rights reserved…..September, 2007


56 オリンピックの新ロゴ談義

 ロンドン2012年のオリンピック。新しいロゴが発表されました。
    これなんですけど(画像が見えない場合は上のリンク からご覧ください)













 色はみどり、とか青のバージョンもございます。
 世界の「若いグーグルgoogle世代」にアピールすべく、モダンで躍動的でヴィヴィッドなダイナミックさを表現した、ということです。
 今後2012年まで、ロンドンオリンピックを進めていく上でキーとなるべき、ロゴ。ユニフォームから、マスコットから、オリンピックグッズから、すべてにこのロゴが入ることになるのです。
 これが巷では喧喧諤諤。
 -ただの「落書き」みたい
 -小学生だってこれより良いものをつくれる
 -どこにも「ロンドンらしさ」がない
 -ひどい terrible, horrible
 -まんがみたい
 -ジグゾーパズル?
 -美しくない
 この「壁の落書き」ってのは、集合住宅や、線路沿いにバカ者たちがペンキとかで書く象形文字みたいなの。丸くなってたり、塗りつぶしてあったりする、あれです。区役所は道路沿いの塀などの落書きをきれいにするのにお金がかかっています。消しても消しても落書きするやつらがいるの。
 テレビのニュースではロゴが出た途端にレポーターが小学校に行って、このロゴを見せ「これ、どう思う?これよりいいものを作れる?」
 で、みなおのおの色鉛筆とかを駆使して自分のデザインを書き出す。小学生でありながら「もっと、オリンピックらしさがいるよな」なんて言う子供もいたりしておもしろい。
 国会議員やロンドン市長までが「違うものに変えるべきだ」
 40万ポンドかけて作ったのに、ひどい言われようです。このロゴでオリンピック運営資金を得るため、一般のスポンサー集めを展開していかねばならんのです、委員会は。メディアはメディアで、これを一般市民とかに聞いてどう思うか、って討論会までしてる。わたしの感覚だと、おかみが作ったものは素直に、はい、って受け入れないといけない、と思うのに、これがイギリスでしょうね。
 どう思うか?
 これよりいいものをあなたは作れますか?とか。
 ご意見はメールで受け付けます、ってやってるの。でも万人受けするロゴってないだろうし、だれにでも合うようにつくるのがロゴじゃないだろうし。確かにデザイン的に「洗練された」という感はないですけどね。
 今までの歴代オリンピックのロゴまでひっぱってきて、さあ、比較ってんですか?
 確かに1948年のロンドンオリンピックのロゴと比べればすごぉいモダン。わかりにっくい、ったらわかりにくい。ロンドンらしさがない、っつうたら、そのとおり。
 一般市民の意見はほとんどがネガティブで、悪いものが多かったようです。たまに、委員長が言うように「躍動感にあふれていてすごくいい」とか、「目をひく」というひともいます。
 「はじめはええーっと思ったけど、1日たったら、これもいいんじゃないか、と思ったよ」なんて言うひとも。新しいものは定着するまで時間がかかるっていう見本でしょうか?
 来る2008年の北京オリンピックのロゴは見ましたか?わたしから見ると北京の「京」の漢字をひとにたとえて、走っているもしくは運動している選手に見えるけど、これって、漢字文化のひとにしかわからんのでは?でもデザイン的にはわかりやすい、と言えるでしょう。
 さあ、どうするんだろ。いまさら変えて無駄に費用をついやすわけに行かないだろうけれど。でも、発表するまでに委員会で討論したんでしょうなあ。ほかのひとの意見も聞き、発表にいたったんだろうにねえ。
 イギリスって、古いものをかたくなに守る反面、新しいものを突然ぴっと取り入れるという面もあり、これまた不思議で面白いですね。

2007年6月7日                    
© Mizuho Kubo , All rights reserved…..June, 2007

55 ごみ考察

 ロンドンはごみの多いとこやで。バナナの皮、はロンドン道端ごみの定番(っつうんですか?)すべるので注意。チューインガムは靴裏にしつこくくっつく。注意。そう思って見ると、落ちとる、落ちとる。えらいもんがいっぱい落ちております。
 バス待ってたら、へんなことに気が付いた。バス停のガラスの囲いのところにたまごのかけらが。??なんでこんなとこに生たまごが割れてて殻だけがくっついておるの?
 買物帰りのひとがたまご買ったあとここで待ってて、たまご入れに入っている、ただひとつの卵だけが飛び出てガラスに衝突した、、、なんてことは考えられんし、考えられるとしたらだれかがこのひとつの卵だけをガラスに向かって投げつけた。
 なぜ?なぜガラスに投げつける必要があるのか?
 映画(邦題)「リトルダンサー」で、ビリーのおとうちゃんがお金のためにスト破りして、炭鉱に行くバスに乗っているときに、組合のひとたちが「ひとでなし~」ってバスに向かってさんざん生たまごを投げつけるのだけど、それを思い出します(そんなこと思い出すこともあらへんねやろけど)?
 ガラスにへばりついた卵の殻ごときでそんなこと考えてるひまあったらもっと有益な別のことでも考えろって?仰せのとおりでござりまする。
 なんでもどこにでもよう捨てるよ。ごみ箱がないのか、つうくらい、いろんなものが落ちてまして、街中ごみ箱のようである。
 地下鉄の車内は言うに及ばず、バスの中も。電車の中もね、マクドナルドハンバーガーセット一式の食べかすのあと、スーパーで売ってるチョコレートサンデーの半分食べて残したチョコレートムースそのまま(よっぽどまずかったんやろうな)。いくらまずかったとしてもそういうもんを食べさしのまま、捨てていいんか?
 そう、ごみ箱が少ないっていうのも事実なんだけど。
 IRA との闘争時代、爆弾を防ぐため、地下鉄内のごみ箱は全部撤去されたのがいまだにプラットフォームにも車内にもごみ箱はない。しかしながら自分が出したごみを持ち帰るという観念はないらしい。この国の住民には。ま、イギリス人だけを責めたらあかん、そら、外国人観光客というのもおるし。
 バスの中でりんごをかじっていたおねえさん、かじりながらケイタイで電話。電話しながらかじってるっていうべきか。食べながらしゃべれるってすごいな。となりの友人らしきおねえさんも同じようにかじっておる。ふたり同時に食べ終え、バッグの中からビニル袋をだして、りんごの食べかすの芯をふたつ、入れたところまではよかったが、さくっと袋ごと足元に落としたぞ。捨てたって感じ。ほらほら、バスの床はごみ箱じゃないんだからね。こうやってどんどん車内がごみ化していくのね。バッグに入れて持って帰ろうとか、いうことは。。。。思いもしないんだろうね。バスの床じゃあ、こやしにもならんしなあ。りんごの食べかすは資源ごみなのに?なんて、急にごみに気を使ってしまうこのごろ。
 ところでイギリス人の名誉のために?加えておくと、このおねえさん、ケイタイでしゃべっているときはネイティブばりの英語であったが、友人としゃべると英語じゃなかった。
 ある区では、私服職員がショッピングセンターとかに待機していて、ごみを落とした人を捕まえて現行犯で罰金払わす、というのをやっております。ごみ、落とした途端に「罰金80ポンド!」これもねえ。そういうことでしかお金を徴収できんのか、と言ってたひとがいましたが、同意。
 イギリスでも(ロンドンでも、と言うべきか)やっと最近、ごみを分別しよう、という気になってきたらしいです。テレビでやってましたが、3人の男の子がいる家庭で「空缶・ガラス瓶」「新聞・雑誌類」「段ボール類」「残飯」などとそれぞれバケツをつくって、分けて入れよう、という試み。しかしたった一週間ですごい量だよん。
 また、政府筋は、リサイクルしないひとに罰金としてお金を払わせるということを考えているらしいです。「非リサイクルだ税??リサイクルしなかったらだめだ税?」しかし、団地とかだったら、だれが捨てて、だれがやってない、ってのわかるんかいな。それこそごみに名前書いとかないとねえ。それに他人の名前書いたりするやつ、いそう。しない人を罰するのではなく、みんな、するようにもってかないとねえ。
 なんでもかんでも、税・税、って罰金取るんじゃなく、リサイクルしたひとにお駄賃あげたらどうなんですかね。わたしならいそいそやります。お金のためかい?!でもその分、ほかの無駄がねが減ると思うなあ。役所に提言しようかしらん。
 4月に引越しして、今住んでる区は前の区に比べ、リサイクルポートをあまり見ないなあ(ロンドン便り53ご参照)、と思ってましたが、一週間に一回リサイクル収集があるんです。火曜日がリサイクルの日、水曜日がごみの日なの。持っていかなくても家の前まで集めに来てくれるんです。えらい!と思っていたら、このあいだのバンクホリデー(休日)の翌日、火曜日にリサイクル集めがなく、家々の前においてあるリサイクルビンが空にならずずっと置いてあったんです。またストか?と思ったら、翌日の水曜日に来ました。月曜日休みだとずれるんかいな。このへんも、イギリス。
 ビニル袋は環境に良くない、使いまわそう、ビニルでない袋を買い物には使おうってんで、デザイナーブランドの「I am not a plastic bag」 と書かれた布の袋が登場。売り出し30分で完売という現象が起きました。セレブが使ってる、5ポンドと言うのも効いたのかもね。でもあんまり、巷では見ないなあ、このバッグ持って歩いているひと。だれが買ったんだ?で、使ってないんだったら意味ないぜい。ひとり1年に250袋、ビニル袋を使うそうですよ。そう思うとぞぞーだけど、考えたらごみを捨てるのにビニル袋は必要だと思うのだけど。ビニル袋の代わりに使いまわせる袋と交換しましょ、と街頭で手製の布やきれの袋を提供する試みをやってました。また、店やスーパで、ビニル袋をもらわないようにしましょう、という運動を提唱しているひとたちも。
 いっそのこと 「I am a recycle bag」 というのを作ったらどうかしらね。
 地球温暖化、グリーン(Green)な環境つくり、リサイクル。このごろの世間の話題はこればかり。わたし?わたしが気をつけていること?地球温暖化については次回に詳しくお話しましょうね。ビニル袋に関しては、買い物のとき、bag for life というスーパーのでか袋をひとつ持っていくように心がけている(つもり)のだが、よく忘れる。これは最初10ペンスで買って、何回も使いまわして使うのですが、使えなくなったら、無料でまた新品と交換できます。で、また使いまわす。
 あるスーパでは自前の袋を持っていくと、グリーンポイントというポイントをつけてくれるのですが、これをもらっておきながら、かさばるものが袋に入りきらず、別のレジのところでビニル袋を拝借した、という意味のない失礼なことをしてしまいました。まだまだリサイクル初心者か!

2007年6月7日                   
© Mizuho Kubo , All rights reserved…..June, 2007

54 イギリス英語・日本語との比較・直接あるいは婉曲表現

 英語は日本語に比べ簡潔・直接的だと思っていましたが、けっこうあいまいな婉曲表現もあります。訳は最後。


 例1>Smoking may activate the sprinkler.


 あるレストランのトイレ。あ、いきなり下ネタでごめんください。
 ふつうは NON SMOKING で禁煙を促します。しかし、このとある女性用トイレで見つけたサインはこうきました。may だし。activate は他動詞ですので、タバコ吸うことによって、スプリンクラーを作動させることになりまっせ、ということです。こう書いてあったらまさにスモーキングは控えるでしょう。そう、「お控えください」っていうニュアンスよりは強いような気もします。暗に単刀直入に、ってやつですか?


 例2>タバコは健康に悪いですよ。


その1)Thank you for not smoking.
 やめてほしいのはわかるが、お礼いっちゃうんだから。だめよ、じゃなく、はじめに感謝しといて世の中まるくおさめるんだな。そういえば銀行の窓口とか、スーパーでも。このごろ長い列のあと、やれやれやっと自分の番だ、と窓口に立つと、Thank you for waiting. と言ってくれるスタッフがいます。日本式だと「お待たせいたしまして申し訳ございません」。ですが英語だと「待ってくれててありがとう」

その2)Smoking kills
 たばこの箱の外装にも Smoking kills とばっちり書いてある。日本の「禁煙にご協力ください」だの「健康のため吸い過ぎに注意しましょう」なんてあまっちょろいものじゃあない。殺されるのよ、あなた。
 TV のコマーシャルでは、「タバコ吸うとこういう弊害が起こりますよ」って、暗に単刀直入に いん○てん○?を示唆していますね。だあったら、売らなきゃいいのにね。でも公に売るものを作らないとドラッグ(麻薬)系の暗闇うら取引を促進しちゃうんかなあ。もしかして。


例3>Please consider others when eating.
 地下鉄の中のプラットフォームで見つけました。そう、車内で飲み食いしているひとがけっこう多いのよねえ。ハンバーガーに堂々とくらいついてるし、チップス(ポテトフライ)ってけっこう匂う smelly のよね。全部が全部イギリス人じゃないかもしらんけど、イギリスの食生活をあらわにしておりますな。ランチタイム20分、電車の中、バスの車内ですませる、っていう。
 でもね、もう食べてるんだから遅いって!はっきり「食べてくださるな」って言う方が早いと思うんだけど。だって、どうやって、他人を思ひ憚(はばか)るんよ?食べながら。ぷんぷん、いい?においさせながら。空腹時はこれ、地獄でっせ。
 目撃。ハンバーガーじゃなくって、この前、ほんとに自前のお昼ごはん、ランチボックス広げて食べてるひと、いました。まあ、いやなにおいじゃないといいってことでも。。。。ないよなあ。ついでに言うと*チップスの油とヴィネガーのにおい、ってけっこう遠近10メートルくらいでもわかるんですな。
  目撃。ロシアのスパイで有名になった某回転すしレストランのランチ寿司ボックスを広げてるひと、いました。ほれほれ、しょうゆがこぼれんでぇ、箱から。人事ながら気になるわたし。思わず思いついたことをネタにしようとメモ取るわたし。しかし、このひと、寿司食うくらいやから実は日本語ばりばりやって、わたしのメモなど読めたらどないしょう。


例4>ごみ置き場でないところにごみを置くひとが多いようです。
 Please respect this area, please put your rubbish in a bin at England Lane.

 だからね、この前はごみ置場じゃなくて、ひとが住んでる住宅地区なの。で、ごみは固めて置くところが指定してあるんだわ。あなたはね、そら、置いて帰ればしまい、だろうけど、ここに住んでるものの身にもなってみてね。ごみは袋に入れて、指定のごみ置場の箱にちゃんときちっと置くように。


例5>白髪染め
This keep your hair great until your roots grow back again!
 
 そらそうやろ。生え際に新しい白髪が生えてくるとまた染め直しということですね。このごろはすぐに色が落ちるようなのが自然でいいみたい。ひとつきに一回は必要でしょうね。しかし、日本製のはほんと、いいわ。ローとか、ガーとか西洋メーカーでも日本で売ってると違う気がする。本家はこっちで、買えるのに、わざわざ日本に帰ったときに日本製を買いだめするのはなぜ?
 あいまいでもなんでもなくて、そのまま。あたりまえ。


  最後はうつくしく>典型的ビジネス例文。


 If you can help me, it would be much appreciated.


 もし万が一にも貴殿がわたくしを幇助していただけるのでしたら、その状況はとっても幸いにもありがたいことでござりまする。 


<究極の関西弁訳・かなりの意訳・イントネーションが伝わらないのが残念でございます>


1>タバコに火をつけると多分、消火栓が開きまっせ。
2>禁煙に協力してくれたらありがたいわ。
  =あんた、たばこで死にとうないやろ?
3>食べんのはええけど、ほかのひとのことも考えてや(ええ加減にしてや)。
4> ごみ置場はね、England Lane ってとこにあるんやで(ここに置かれると、前に住んでるわ
  たしが迷惑するんやわ)、たのむわ。
5>次の白髪が生えてきたらそら、またこれ、買ってもらわな。それまではこの白髪染めは貴女
  の髪を黒く保ちまっせ。当たり前やけど。


 注の注> *チップス
 おさらいですが、イギリスではチップス=日本で言うところのポテトフライのこと。フレンチフライとか、フライズとも言いますが。
例:フィッシュアンド&チップス 
  イギリス版魚のてんぷらに揚げたポテトがついてきます
  日本でいうチップスはイギリスではクリスプス(複数)と呼びます。


2007年1月3日          ☆くぼみずほ☆
© Mizuho Kubo , All rights reserved…..January, 2007

英語編 アーカイブ 足しときます。 25) (42


53 ごみとリサイクル

 わたしは現在のところハリンゲイ Haringey  という *borough (発音注意!バラと読みます。ボロとも聞こえる。区のようなものですね)に住んでいます。最寄の地下鉄駅アーチウエイはイズリントン地区、近くのハムステッド・ヒースはカムデン地区、と3つのバラに徒歩圏です。最近ごみ収集係りのストがありました。これはハリンゲイだけ。
 住んでいるのがいわゆる集合住宅なので、ごみは週に一回、月曜日の朝、カウンシルから収集にきます。ごみ箱の大カートンが6台ほど、前日に、入り口の通路のところに寄せられ、終わるとまた塀のところに戻されます。
 各階にもごみ袋サイトがあって(日本のマンションのシューターではありません、ただの置き場)入れておくと週一回掃除のおねえさんがまとめて下まで持っていってくれるのですが夏場そこに置いておくとよからぬニオイがするし重くなるので悪いと思い、ここには新聞雑誌、果物トレイの類だけ入れて生ごみはまとめて下の大ごみ箱まで都度持っていってました。そう、生ごみは1週間でスーパーの袋に2-3個はたまるのです。
 ところがこの2-3週間ほど、通路にごみ台が寄せられたまま、からにならないまま、ずーっとおいてあるのです。はじめは建物前の道路工事のためにごみ収集車が入ってこれないのか、と思いましたが実はこれ、ストライキだったんですね。
 遅まきながら当局からのお知らせも入っていましたが、遅い!そのちらしには「ストはいつまでかかるかわからない。リサイクルは滞りなく行っておるので、リサイクルするように」それって責任転嫁じゃないのぉ?
 テレビのニュースにもついに登場。自分が住んでる地域が画面で紹介されるってなんかミーハーだがうれしい。もちろん、うちの近所ではないのですが。道端に置いてあるごみがあふれてハエがたかってる様子と住民が文句言ってる様子の内容。ハエのみならずねずみまで来るところもあるらしく、不潔この上ないですね。それを避けるため塩をまいとくと良いそうですが、ほんとかいな。
 向かいのおばあちゃんは、当局に抗議しようとしたが、電話は録音になっていてだれも出ないのよと言います。そうね、そういう苦情が多いだろうから、だれも返事したくないと思います。
 はて、このたまってくるごみの山をどうするべきか。身につまされるわよ。ごみだけに。普段であればふたがちゃんとしまってる大箱もここにきては、ふたできないほどごみの袋であふれています。部屋においとくとまた臭うのよね。自分の身は自分で守るしかない。せめてものごみの量を減らすにはリサイクルだあ。
 ロンドンは日本のように分別ごみ方式は基本的にやっておりません(多分イギリス人にはできないんだと思ってましたが。失礼)ごみだしは、みんなまぜごちゃ。ごちゃまぜ。楽でいいが。もちろん、駅、駅の近くや道路のわきにリサイクルカートがあって、分別して入れるようになっているのですが、今まで気にしたことがありませんでした。

 ビン、ボトルなどのガラス類は色分け。
 1)透明 2)緑 3)茶色 そのほかに4)缶類 5)新聞・雑誌類 6)その他
 この1)から5)まではブースがだいたいどこのリサイクルポートにもあるのですが、日本でいう牛乳パック類(イギリスの牛乳は紙パックでなくプラスチックに入っている。ジュース類が紙パック)をリサイクルするところがないのです。6)その他 の表示があるところも、入れていいものは 1)から5)と同じ。重複するんですね。入れていい、となっているものにペットボトル類は入るけど、プラスチックや果物トレイが入っていません。なんでやのん?あれってけっこうかさばるし、増えるものねえ。せっかく持ってきたのに入れるところがないから横にあった「ごみ箱」に捨てました。何のリサイクルにもなっとらんなあ、これじゃ。
 何箇所か見ましたが、だいたいが1)から5)まで。6)のあるところに cardbord card(段ボールの類)を見つけましたが、どうもプラスチックトレイはないようです。イギリスではリサイクルしないのかしらん。それに6)は、ビンでも缶でもペットボトルでも、なんでもひとつの箱に入れていいんです。分別するにもできない何でもありのイギリスらしいのかも。それとも単に分別するのがじゃまくさい、と思うひとにリサイクルをカンタンに促す手なのかも?
 普段ごみを出すところにリサイクルカートがあるわけではないし、リサイクルしに、わざわざ重いビンなどをかかえて足を運ばねばなりません。わたしのようにじゃまくさがりやには極めて不便です。ますますリサイクルから遠ざかるような気がしてきます。いやいや、いかん。資源のためにがんばるのよ!
 日本のように、空きビンと引き換えに何十円、とか返してもらえるのであれば計算高いわたしのような輩にも率先できるのでしょうが。
 テスコというスーパーでは最近、店のビニール袋を使わず、自分で袋を持っていくと**カードのポイントをつけてくれる、というのを始めました。持参する袋は何でもよく他スーパーの袋でもよいのです。イタリア、フランスに旅行するときは布製の「お買物袋」を持って行くのに、イギリスではとんと使っていないことに気が付きました。これからスーパーに行くときには持っていかなくっちゃ。
 1回料理すると台所の小さいごみ箱がいっぱいになるわたし。この機会にごみを減らす努力をして、真剣にリサイクルを考えるべきなのでしょうなあ。

<うんちく (久々)>
*borough  ロンドンには32のバラ(特別区)とシティ・オブ・ロンドンの合計33区があります。ちなみにカウンシルが区役所、市役所のようなものです。、
**スーパーのカードのポイント スーパーは各社自分のところのクラブカードを作ると買物時にポイントをつけてくれます。買う数にもよるし、ものによって、倍のポイントがついたりします。それを貯めると、割引券になったり、旅行の得点になったり、商品と引き換えられたりします。

<後日談>
 ニュースでこの月曜日には回収再開!と言っていたのに、月曜日になってもごみ箱はそのままでした。ひぇ~、またいつまでかかるの?と思っていると、向かいのおばあちゃん、ついに自ら、にわか「ごみおばちゃん」になり、同じ階のごみを集めてまわっておりました。段ボール紙袋にまとめて入れて下に持って行っただけやけど。これがきいたのか、どうか、翌火曜日に片付いてました。まあ、広い地区中、たまりにたまったごみごみを一度では片付けられまい、とは思いますね。ストやるとあとの方がたいへん。

2006年8月22日        
© Mizuho Kubo, All rights reserved…..August 2006
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