Saturday, November 21, 2009

23 Best Season in エゲレス

 イギリスも3月30日から夏時間となり、朝は早くから明るく、夜いつまでも明るい季節となりました。イギリスには一年を通じて季節は二つしかない、「なが~い冬と短い春」いや、「冬と秋」かな。夏時間となり、明るい一日を気持ちよく過ごせることが多くなると、やっと夏に近づいてくるなあという気がします。これから夏至までどんどん昼が長くなり、夜8時をすぎても(残業しておそくオフィスを出ても)あれ、明るい。
 たとえば貴方(貴女)がイギリスに来ることにしていて、一年のうちの一回しか来れない、一年の12の月のうち、ひとつしか選べない、で、いつがいいでしょう、とわたしに聞くとすると、即座に「そら、なんといっても5月でっせ」と答えるでしょう。
 花の5月。花満開のつき(Month )。
 暑すぎない(ま、イギリスで猛暑、暑すぎるってのは真夏でもこのごろはお目に、いやお肌にかかったことないけど)し、寒すぎない。日差しもけっこう良くって過ごしやすいいちばんの季節。冬の間はどこに行っちゃったのぉという青い空が毎日・偶然のようにけっこう見られます(天気がいいってことよ)。
 旅行は天気で左右されますからね。せっかくの世界遺産も、観光名所も、雨が降り天気が悪ければ受ける印象も半減されます。
 花は2月終わりのスノードロップ(白)、クロッカス(白とか紫)に始まり、ダッフォディルと呼ばれる水仙、黄水仙、ラッパ水仙(これはみんな黄色)のたぐい。
 3月から4月にかけて、チューリップ(いろんな色あり)。オランダだけがチューリップの国ではありません。バッキンガム宮殿の前の広場のチューリップはこの時期、見事です。
 5月くらいになると今度はブルーベル(青、ですな。その名の通り)。群生しているのをコモンと呼ばれるひらたい丘、雑木林の中などで見ることができます。
 はいはい、たび蔵さん、このへん、花のイラスト、写真、ばっちり・よろしくね。
 さくらも咲きます。去年赤い実をなしていた近所のさくらんぼの木は今花盛り。日本の桜と違ってうす桃の花とみどりの葉っぱが共存し「葉ざくら」状態にはなっています。で、ずーっと葉ざくら状態がわりと長く続く。去年、必死でジャンプしてひとつ実をこっそりいただいたのですが、すっぱかった。これは内緒。
 あと、ついでに言っちゃうとわたしの大好きなバラが6月に登場。バラの国、イギリスですから。リージェントパークの中にある Queen Mary’s Garden  の中のローズガーデンの種々の薔薇が美しく咲き乱れるのを散歩がてら見に行くのが楽しみな季節です。6月がいちばんの月、というひともいるでしょう。季節がいいので結婚式が多く行われ、June Bride というくらいです。
 でも日本は梅雨月だからね。旅行に出るのに日本側の段階でちよっと懸念があるでしょう。わたしは渡英するなら、「5月」に軍配をあげます。
 映画「1000日のアン」で、処刑場に引っ張っていかれるヘンリー八世の2番目の妃、アン・ブリンが咲き誇るメイフラワーの木をあおぎ見て、「そうだわ、陛下とはじめてお会いしたのもこの5月の白い花の咲いているときだった」なんぞとはっきりせりふの一言一句までは覚えていませんが、そうやってつぶやくシーンがあったと記憶しています。はじめの王妃とむりやり離婚させて結婚したのに3年あまりで捨てられてしまう、非業の王妃の最期のつぶやき。なんて。それも5月なのです。また、ちゃちゃ入れるやつがいるだろうから言うときますが、実際の処刑は3月だったようです。
  季節の良い時期には休日あり。イングランド(イギリスと言ってないところに注目)では5月には二回も三連休のバンクホリデー*があります。
 季節がいいときに連休があるのはどこもいっしょ。偶然か、日本のゴールデンウィークと重なります。日本の連休の方が長いけど。大義名分で、休めますよね。
 花。となると、ガーデニングの国、イギリスとなれば、フラワーショー。
 これも半端なもんではおまへん。一番有名で価値あるのがチェルシーフラワーショー*。RHS ( Royal Horticultural Society ) 訳すと王立園芸組合ってとこが主催しています。
 ガーデニングのワザを競って、コンテストに入賞したひとたちの庭たちが、会場にところせましと並べられます。しかし広い会場なので、そこらへんの一軒の家の庭よりひろいものがたくさん出ています。
 王立、ですから、女王陛下、プリンス・オブ・ウェールズ、チャールズ皇太子も観覧にお出ましになります。毎年、テレビでその様子は放映されます。はじめの2日間は会員のみ入場可能で、あとの2日間にやっと一般人も見学できます。チケットは1日券が今年は£29とけっこう高いのですが、それでもなかなかチケットを取るのがムツカシイです。午後から半日の安いもの、夕方のみ見学できるものだと£10で入れます。
 ただ2年前かに会社終わってから、このイブニングセーバーで入ったのですが結局2時間くらいしか見れず、広い会場、やはり、半日はほしいなと思うところです。
 天気の良い、まだ明るい夕方、花やみどりだらけの会場を散歩がてら歩くのはなかなか趣きがあって楽しいものです。ピクニック気分ですね。これだけのぜんぶの庭が自分のだったらええな。なんて。これ、趣味。これはもうちょっと、あ、こんなこともできるんやと思いながら自分のかってな自己採点で楽しみます。
 ハンプトンコートでも7月初旬にフラワーショーがありますが、このチェルシーフラワーショーはイギリス最大規模のもので、お花やガーデンの好きな人なら一見の価値あり。
 RHS は他にも小さなフラワーショーを1日や2日でいたるところでやっていますが、大体が平日の開催なので、たまに行きたい!と思ったときは、有休とって行きます。2日目は花が疲れているからか、初日より入場料が安いです。と言っても初日の入場料5ポンドが2日目に3ポンドになる、といった良心的もの。しかも、2日目の閉場間際に行くとか、閉場時間までしつこくいると、最後にディスプレイされている花々が皆抜かれてゆき、ただで(もしくは二束三文で売られ)得した気分。
 お目当ての花のブースに行って終わるまでじぃっと待ってることも。だってあとは捨てるんですって。勝手に花入れから抜いちゃいかんから、係りのひとが抜いてくれるのを横で待ってる、みんな。でも、ただほど安いものはない、さすがに日もちはしませんがね。家に持ち帰り、殺風景な我が部屋が、ほんの一瞬でも華やぐのはええこっちゃ。
 ロンドン郊外や田舎にある、マナーハウス。いわゆるもと貴族の館やお城をナショナルトラストが買って手入れ保存していたり、個人が一般公開しているものですが、この公開も冬の間はなく、春からです。
 だいたい例年イースターころから開館となり、秋のハーフタームの終わる10月には閉まります。マナーハウス、城館となると、建物も昔からのりっぱなものなのですが、それだけでなく、必ずお庭がついてくる。お庭というより「公園」と言った方がいいくらいの広大な庭のあるところがほとんどです。庭園内に湖や池があったりね。
 シーズン中の週末やホリデー期間中は子供連れ、家族連れで賑わうことになります。ひとさまの、昔は貴族さまたちだけの特権であった館の庭を我がもの顔に犬や子供を遊ばせられるっていうのは贅沢ですねえ。近代社会に生まれていてよかったこと。
 エセ貴族気分を味わうため、春からの期間限定公開に向けて、さて今年はどこへ行こかいな、と熱が入ります。
 天気がいいといいんだけどね。

 筆者注)
*とえらそうに言ったけど、前半のバンクホリデーだけスコットランド以外でした。後半のは Great Britain 中、ホリデー。スコットランドだけ我が道を行く、と思ってたのですが、昔のことだったか。ロンドンは休みでなくてもスコットランドが休み、というバンクホリデーもありますが。月曜日が銀行の休みになるので、バンクホリデーと言い慣わしています。要は国民の祝日のことです。

*チェルシーフラワーショーの今年の日程は5月20日~23日の4日間です。
  (一般入場可は22日と23日の2日間)

追伸)これを書いてる今日、しっかし、窓外は気温9度。夜中はマイナスでした。
 真冬だぜ、真冬。わたしはあの、雪道を歩いたコートで通勤してます。
 いつになったら春がくるのぉ~。。。。。ぶつぶつ。

2003年4月10日                    
© Mizuho Kubo , All rights reserved…..April, 2003

No comments:

Post a Comment

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...