Sunday, November 22, 2009

(archive)番外編 夏は野外オペラ

 記憶がフレッシュなうちに、といつも思うのが旅行記にしたい番外編。久々南仏編でいってみます。ちと長いけど。


コース概要> 
1日目 ロンドンからリヨンへ(飛行機) 
    空港よりTGV (フランスの新幹線)でオランジュへ。
    オランジュ 夜 野外オペラ   オランジュ泊
2日目 鉄道でニームへ移動。
    ほとんどプールサイドでのんびり   ニーム泊
3日目 鉄道でアヴィニヨン経由アルルへ移動。
    究極のビール腹。 アルル泊
4日目 アルル滞在(ホテルで寝てただけ))アルル泊
5日目 アルルよりTGVでリヨンへ。
    TGVでリヨン空港へ。
    リヨンからロンドンへ、帰国の途へ(飛行機)

おまけ>アヴィニヨンでお昼。

>テーマ別<

*南仏へのゲートウェイ
 太陽かがやく、南へ行こう!印象派の画家たちが集まったあの南へ。
 ひまわりと青い空、青い海。ゴッホだ、ゴーギャンだ、セザンヌだあ。
 どうやって行く?
 最寄の空港ってのが、いっぱいあるけど、国際線が乗り入れてるのは少ない。マルセイユ、ニース、モンブリエ。ニームにはルートンからライアンエアというノンフリルのオンライン航空が入ってるんだけど、このごろ機内のトイレにまでお金取るっていうから。場所的にはヒースローが近くて便利だしぃ。悩みに悩み、探しに探して。
 リヨン。リヨンはまんなかへんなんですが、ヒースローから BA が飛んでて、空港よりTGVで アヴィニヨン-オランジュ-アルル とつながってるから、カンタンと思ったのが大間違い。このローマ時代遺跡の宝庫、印象派の画家たちが好んだ太陽とひまわりの南仏!へは、なんて行きにくい。
 リヨン到着から鉄道出発まで28分しかなかったんです。無謀っちゃ、無謀だったね。現地で切符を機械で取り出して、乗らないといけない。切符を手配してくれたフランス人同僚に「もぅし、万が一、大丈夫と思うけど、ひょっとして」乗り遅れたら切符変更でけんの?と聞いたらにわかにまじになられ「え?何時に着くの?え?」むりかも、とえらく急に不安になったのが現実になってしまいやした。飛行機がちょっとでも遅れたらあうちやと思い、手荷物だけにして、そくっと出ようと思ってても。1)飛行機少し遅れた 2)入国審査っつうもんがある(フランスではめったに言葉を発しなくてすむのに、このごろ入国審査官はけっこう質問する)3)空港から鉄道駅までけっこう歩く 4)機械でチケットを引き取らねばならぬ 5)乗る前に切符ガチャコンしないといけない かつ、機械はたいがい作動しない 6)プラットフォームは階段ずずっと下がったとこよ
 以上の要素により、うろうろしているうちに、プラットフォームに隠れていた列車が見えなく、アナウンスもあったかなあ、と思っているうちに、「あ、列車だ」階段を駆け下りようと思った瞬間に行ってしまったのでした。

*石段オペラ
 オペラを見にヴェローナにも行きました。古代劇場をローマ時代のそのままに使っているのはいっしょですが⇒前回のエッセイはここ その前もあり。ヴェローナは安い席は石で、懲りたの。でも料金により、真ん中の高い席はふかふかの椅子席になっている。
 ここオランジュは、みなさん、ざぶとんをお持ちです。木の折りたたみ椅子みたいなのを持っているひともいる。わたしたちはおしゃれして行ったけど、みなカジュアル。地元の老人会みたいなひとが多いって感じもする。そういえば、アリーナの前で地元のおばちゃんたちがざぶとん売ってましたね。10ユーロ。石段席にはざぶとん。
 石の上にも3時間、なんて無理よね。しまったぁ。
 座るとこはすべて石やで。買いましたよ、ざぶとん。一日目にして、おみやげゲット。当然ながら帰るまでキャリーバッグのほぼ半分の容量に鎮座ましまし。
 わたしたちの席は100ユーロもしたのに(200ユーロの席もある)、平等にぜ~んぶ石だからね。おまけに標高の高いところにあるんです。アリーナの中の石段なんて席と同じ構造だから、一段ずつの高さがあって、よじ登る(って感じ)のはなんとかいけても降りるのは無理!!こわいもん。下見ると。しかも手すりもないし。足腰だけで高い階段を何十段も登り(!)下りするんでっせ。
 幕間のトイレ休憩悲惨だったわ。後ろ側のまだ手すりがあるところから乗り降り(って感じ)したけど、高さは客席と同じだから、すっごい筋肉運動。
 足に身が入ってる(ってわかる??)感じがずうっとしてました。年寄りも多かったになあ、みなさん元気ね。オペラ観劇というよりはズボンにスニーカーのスポーツ仕様が適切なんでしょうな。
 ざぶとんで陣取りできるのに始まる前、友人がトイレに行ってるあいだにわたしが座っていたところにひとがきて、ここはわたしたちの席だよ。えぇ~っ?一段間違えてたことが判明。さて一段高い後ろの段にうんしょ、とよじ登ったはいいがそこには一人分のスペースしかない!えぇ~っ?だって、ふたり分とったのよん。石段の下に番号がペンキで書いてあるのだが、よく見えぬ。もう、英語、フランス語、日本語で叫んだわさ。「横にずれておくんなせえ、ふたりなんですのよ」右に左にお譲りください、って感じよ。もひとつ上のおばさんが親切にも流暢な英語とフランス語で隣近所に訳してわたしがなぜパニクっているかを説明してくださって、助かったけど。高所恐怖症にはつらいもんがあるで。

 あ、ごめん。石段の説明で終わりそうになっとるが、オペラだったんですね。オペラはそら良かった。舞台がすごく広くて、俳優さんたちは走り回ってたね。ステージも素敵で、良かったわ。終わったとたんにぽつっと雨が降ってきたのはいいタイミング。前のカフェで一休み雨宿りして、ホテルに帰りついたら夜中(始まりが夜9時半で終わったのも1時近いが)雷と稲妻の嵐でした。



*アンフィシアター(闘牛場として使われてたローマ時代の円形劇場)
 今回行った3都市。オランジュ、ニーム、アルル、すべてに備え付けありました。
 悠久のローマだわん。ヨーロッパはひとつだと思う瞬間。昔のひとはえらい、と思うひととき。

*列車されど列車だけど列車
 イギリスの列車でも懲りてるけど。。。フランス人同僚いわく、フランスで列車が遅れるのは「ストライキのときだけ」うそつきぃ!今回ひとつとして時間通りに出発した列車がなかった。
 いや、ひとつだけ時間通りに出発した列車があった。それにはわたしたちが乗り遅れた。
 ゆえに、100%遅れ。
 リヨン空港駅のおにいちゃん、フランス人らしくなくえらい親切で英語もうまくて市内駅からの
 TGVにささっと変更してくれた。メルシ・ボクゥ。
 やっと着いた市内駅でも遅れ、待ったあげく、プラットフォームの変更があり、荷物持ってまた移動という2重苦。
 オランジュからニーム。すんなり行けばオランジュからアヴィニヨンまでTGVで10分、乗換えてニームまで30分ほどの距離なのに。列車が遅れに遅れ、待ち時間も入れたら2時間以上かかったのに懲りたわたしたち。教訓!乗り遅れないためには「乗り換えをしないこと」と肝に銘じた。特に月曜にロンドンに帰る彼女はニームからアヴィニヨン乗り換えでリヨン空港へ戻るというタスク(リスク?)が待っていた。
 で、アヴィニヨンでお昼することにする。前述のミシュランレストランは開いてないけど。早めにニームを出てアヴィニヨンに行き、町もちょっと見て、ランチ後、夕方の列車に乗れば乗り遅れるはずがない!名案。
 帰りも空港では1時間しかなかったから、お互いあせったわよ。みなさん、BA のリヨン行きは南仏へ行くときは、やめましょう。


*レストラン
 当たり。鼻の利くわたしたちは、食ははずさんぞ。フランスだし、レストランさがしに気合も入る。駅前のカフェで、つまみのような盛合せとビールで充分満足。当たり続き。しかし、ひとつを除いて。初日のオランジュのホテルで紹介してくれた劇場敷地内の洞窟のレストラン。雰囲気は素敵だったがフェスティバル価格のセットメニューしかなく、グルメのわたしたちとしては「なめとんか?!」
 もともとの予定は第一日目にアヴィニヨンに寄りミシュラン・レストランでランチ、と予約まで入れていたのだ。それが楽しみのひとつでもあったのに前述のように、TGV に乗り遅れ市内周りになりその日の予約時間に間にあわず没。このレストランは日・月は閉店で友人は月曜日に帰るので、断念。


*ビール
 なんせ、イギリスと違って南仏には暑い夏が気温とともにあるもんで。
 日本の夏がビールおいしいのといっしょかもね。フランスのビールはいまさらだけど、こくがあっておいしいわん。
 そのせいか、前出「究極のビール腹」アルルでなんと、お腹をこわし、ホテルのトイレから離れられず。せっかくのまる一日、ハイキングへでも行けたのに。一日外へ出られず。ふきゃん。。。それとも前日のプールで(屋外で、水はけっこう冷たかった)冷えたのか。。。

*ホテルのプール
 今回は思いもよらず、泊まった3ホテル、全てプール付でありました。
 でも、ニームのベストウエスタン・オランジュリーホテルがダントツ。
(別に宣伝するわけじゃないがウエブ貼っとこ)


 ベストウエスタン・オランジュリーホテル

 中庭にあるこじんまりとしたプールサイドでレセプションのかわいいおにいちゃんが持ってきてくれたカクテルぅなどをなめながらどてら~としてると時と日常の喧騒を忘れます。


*ゴッホのアルル
 アルルはカマルグという湿地帯の平原に行きたくて選んだのだけど、途中から合流した日本からの友人がゴッホ!という。一日自由日があったのに、お腹こわしてどこへもいけなかったので、カマルグはまたのテーマに。体調が戻った翌日午前中にようやく、ゴッホをすこしく味わいました。でもゴッホの絵を見たかったらアヴィニヨンの美術館らしいよ。ロンドンにいっしょに帰ってきたゴッホ好き友人はナショナルギャラリーで「ひまわり」を見、たまたま行ったサマーセットハウスのコートールド・ギャラリーで「自画像」を見つけ、満足しておりました。





 クリック!!→ ウエブアルバム 南仏 
       プールサイド姿はないのでご安心?を。

 






はい、旅行は久々の夏休み!8月1日から5日まで4泊5日でした。


2009年9月3日        
© Mizuho Kubo , All rights reserved  August, 2009

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