Saturday, November 21, 2009

25 イギリス英語の明と暗 初級編

 今回は本来のわたくしに戻って?ちとアカデミックに行ってみます。
 英語といいますが、English には England  の言葉、England の人、という意味があります。England で話されているのが English。イギリス英語、というのはおかしいのですが、英語がネイティブも含め公用語である国はたくさんあるので English はいまや本来の意味をなくして、一般用語になっています。アメリカの英語やシンガポールの英語など訛り・方言(dialect)という一言で説明するには言い表しがたいほどの違いがあります。
 言語学者的考察はおいといて、まあ、わたしの個人的雑感ですからかる~く読み流してくださいね。そう真剣に考えんと。
 イギリス人(一般的にそう呼ばれているひとたち)の話す英語、スラングで、いいな、と思うものとこりゃ下品、とか、やだっていう表現がいくつかあります。これはわたしの個人的好き嫌いなので、賛否両論でしょうが、いくつか説明させていただきます。

 <好き(明)>
 *発音
 なんと表現して説明しようか悩むところですが、ブッシュ大統領のような発音とは絶対違います。きざったらしい、旧式、という向きもあるでしょうが。女王陛下の発音のようなもの、かな。これも説明しだすと長くなるが、イギリス英語には

RP=Received Pronunciationといって、いわゆるBBC 英語、オックスフォード英語、Queen’s Englishに代表される英語。Posh (きざ)って感じですかね。

②コックニーと呼ばれる下町英語。マイフェアレディに代表されるあれ、です。

その間の③Estuary Englishの3種類に代表されるようです。Estuary Englishについては、テムズ河流域の英語、と言われていてTony Blair がこれでスピーチしたことによって労働党の大衆の支持を増やしたとか。これについてはもう少し勉強の必要あり、かな。今後課題として研究しまして、中級編にしてご紹介しましょう(だから本編は初級編です)。

 あの、もったいつけたような、ものいいが、好き。No というときの「ノォ~プ」って感じに代表されるんですけど。

*Is it really?  Would you, really? この念の押し方?がかわいらしい。

*Can I ~? と聞くと 返事が Of course, you can.

Of course だけでなく、you can  をつけるところがいい。もちろんできますよ、していいですよ、とあったかみを感じます。

*Darling・ My love・Sweetheart
キオスクのおばちゃんとか、地下鉄の係員にも言われちゃうんですけど。愛を感じる ??? 呼びかけで、特に意味はないんでしょうけど。

*Lovely・Jolly good
jolly  very  と同じ意味で、ちと年寄りっぽい響きですが、なんとなくいいなあ。使うとおばあさんになった気分なのですが、「ブリジット・ジョーンズの日記*」 にもよく登場しますね。

*同じ表現を繰り替えさない
新聞などでの文章で、Tony Blair had a speech on ---- と一度出すと、次の行では同じひとのことを言うのに同じ表現はせず、Prime Minister mentioned about---- になっている。タイトルをつけて言い換える。This Scotland born man とかね。ベッカムは England captain と呼ばれたり、そのサッカーの役割から Skipper  と言い換えられたりします。

<日本語と似てるぅ>
*オイ、と呼びかけるのは日本語といっしょなんだけど、あまし上品とは思えまへん。
*ドッジーというのがあって、はじめはドジ!と言われているのかと思いました。ドジ!はclumsy。 dodgy はどちらかと言うと気が進まない、とか疑ってかかるべし、みたいな意味あいがあるようです。

<きらい~(暗)>
wanker (バカ)だろうけど、日本人には発音しやすいらしい。だめよ、覚えちゃ。
テレビのドラマや映画の放送で、お子様向けじゃない、きたない言葉や強い表現がある場合にContains very strong language とかcolour(綴りもイギリス)language と言われるスラングが登場します。あまり覚えない方がいいかも。

<も、サイテイ>
Bloody Hell!!! F ….word。あ、とても口に出して言いたくない。

<イギリス英語らしい表現>とわたしが思うだけかもしれませんが。
パブでギネスを飲みたいとき。すべてのパブにギネスがあるわけではございません。
Have you got Guinness? とたずねます。Do you have ~? でなく、これを使うことがほとんど。
Is there Guinness? と思ってたというひとがいましたなあ。
「~したい?ほしい?」というのに fancy を動詞として使う。Do you fancy coffee?
念をおすためだけじゃなく、ふつうの文章に繰り返しを入れることが多い。疑問に思っているわけではなく、強調のために使われたりする。また会話の応酬として使うことも多い。その相槌がむつかしい。

例えば

Do you need this, don’t you? といった感じで、文にあわせ動詞を変えないといけない。
Is it ? Isn’t it ? Do you ? Don’t you ? Would you ? etc
Will you come back tomorrow ? と聞かれ Yes, I am と言っちゃったりね。
Do not work too hard ! I won’t !

 どうして速攻で即答できんだろぅか。I だけじゃなくwe shall,we shan’t もよく使います。Shan’t we? フランス語なんてなんでも「ネスパ?」でいいんですもんね、ネスパ?

How could you!!!
テレビの「ブラインドデート」という番組で、3人のなかから一人を選ぶとき、あとの二人は落とされる(turn down)わけですが、司会のもとタレント、シラ・ブラックが、選ばれなかったひとを本命の前に紹介するときに、言います。

You turned down number Three….How could you! って感じ。

どやったらそんなひどいこと、こんな素敵な女(男)なのに(って見えないんだもんね、選ぶ前は)できましたんや、って感じすね。ちなみに彼女はリバプール出身です。

ブライミー!
どう綴るのか、ずうっとギモンでした。やっとスペルが判明して、ほっとしています。Blimey = 驚いた、とか、ヘエェー、えらいこっちゃ、って感じですかね。B.J* にも出てきます。スラングです。

お金のポンドのことをquid とも言います。八百屋でaubergine (なすび、フランス語も同様、アメリカ英語ではegg plant )を買おうと、「1パウンド2クィッド」などと言われたら重さで量り売りで£2のこと。 
ポンドpound は重さや量にも使っていて1ポンド(パウンド)は約450グラム。

 古語やラテン語を駆使して、おおげさに言うことも多いですね。使う単語や動詞の活用形もアメリカ英語とはちと違うような気がする。

<イギリス英語の単語>
 単語だってちがっちゃう。イギリス英語は古くさくむつかしい、という向きもあるでしょうが、古語やラテン語から来た単語も多く存在します。これはイギリス、イングランドの歴史に起因するものでしょうが、フランス語(ラテン系)から来ている単語があるので、難しい単語でもguess して意味がわかっちゃうんでしょうね。そのあたりはスペイン人やイタリア人が英語を勉強するのとわれわれ日本人が英語を勉強するのとギャップがあるはずです(フランス人とはあえて言わん)。

bizarre(奇妙な) idiot (ばか)などはフランス語と同じです。

 歴史に鑑みノルマン語とか北欧の方の言葉から、とかゲール語(ウェールズやアイルランドの一部では残っている)から来ている言葉もそのままお使いになっております。息の長いこと。何千年使っているのでしょうか?
 現在使っているような英語の基礎ができたのは5世紀と言われています。ローマ人の抑圧にも言葉の影響にもめげず、アングロサクソンに、北欧のノルマン人が押し寄せ、種族の侵略状態のイギリスでしたがそれらの言語をも取り込み、ことばの基礎を増やしていきました。
 1066年から約300年はなんとフランス語がイギリス上流社会の公用語でした。フランス語を話すノルマンのウィリアム征服王の時代です。
 その間もいろんな言語の影響を受けながらも、英語はすたれず生きていきます。
 ヘンリー八世(好きよね、わたしこのひと。このおっさんが好き、というのでなく、このひとを出すのが好きという意味です)の最初の妃、キャサリン・オブ・アラゴンはスペイン出身ですが、よくできたひとで、イギリス滞在中に流暢な英語で書きものしたのが残っているそうです。

よくある単語の違い(これは主にアメリカ英語と比較して、という意味です)

Lift (エレベーターではなく、リフトです)

地下鉄の出口は Exit でなく、Way Out です。もちろん、地下鉄はSubway(地下道) でなく、Underground。愛称はそのかたちから Tube です。

Ground floor ヨーロッパでは一番下はグランドフロアー、日本やアメリカで言うところの2階がファーストフロアー(1階)となります。

袋入りのポテトチップスはクリスプスcrisps 、いわゆる揚げたポテトフライをチップスchipsまたは French friesといいます。

日本で働いていたとき、お昼にお弁当を買いに行って、queue がすごかったわ、と当時のカナダ人のボスに報告すると、彼女いわく、「それってline up のこと?」

カナダ英語もアメリカに近いです。イギリスはキュー(行列)の国です。

Bank Holiday いわゆる国民の休日のこと。銀行だけが休むわけではありません。

イタリアに行ったとき、友人がイタリア人のインフォメーションのひとにこれを言っていた。わたしはイタリアでもバンクホリデーと言うのだろうか、わかるのだろうかと案じていたが、そのイタリア人はちゃんとわかっていた。すごい。イタリア語でもバンクホリデーというのだろうか??


ジョークひとつ。(イギリス人はジョーク好き)
あるアメリカ人とイギリス人の会話。
アメリカ人「きのう木に登ってたらさ、バランスくずして枝にひっかけちゃって、pants
破っちゃったよ。」
イギリス人「きみ、ズボンtrousers破るまえにどうやってパンツだけ破れたの?」

イギリスでpants とは下着のことで、アメリカではズボンとして使っているので単語が違います。これ、あましイギリス人には受けなかった。ところでズボンって日本語はどっから来たんでしょうね?

<綴りと発音の不一致>
 これだけ綴り方と発音に差がある言語もめずらしいかも。それでも世界共通語になっているのだから。ネイティブでない種族はたいへんよ、覚えるの。
 特にイギリス英語の単語は綴りがむつかしい。ルールらしきものはあるようだが、例外もあって、その方が多いと感じる。

おなじみロンドンの地名(読めても綴れないかも)

Leicester Square (レスター・スクエア)子音の欠落
Gloucester Road(グロースター・ロード)上に同じ
Pall Mall(パル・マル)ポールモールと書いてある日本のガイドブックも。
Chiswick(チジック)Southwark (サザーク)w は発音しない

さらに
Peterborough(ピーターバラ)Edinburgh(エジンバラ)バラは町や市の区画です。
Worcester, Worcestershire(ウースター)ウースターソースの発祥の地
St John(シンジン)と発音する、って書いてあるけど。聞いたことないです。これは。

<日付の書き方の順番>
日本やアメリカのような 月/日/年 でなく       日/月/年 となります。
例 2003年6月4日 06/04/2003 (日・米) 04/06/2003 (英・欧)
ヨーロッパはみんなこのイギリス方式です。ヨーロッパ方式というのか。お間違えなく。

 筆者注)*B.J ブリジットジョーンズの日記。日本でも訳本が早速出てたみたい。でもイギリスのテレビタレントや有名人(セレブリティといいます)など日本であまりなじみのない人とか単語とか、この雰囲気がわかるのかなあ、とちよっとえらそうに。

**上の情報の一部は「British Phrasebook」の内容から引用しています。この本は非常にでけた本で、ポケットに入るくらい小さいから通勤途中の読み物に最適。お勧め。おもろいで。主にアメリカ英語との比較となっておりまする。

06/06/2003 これなら間違いようがないよな。           
© Mizuho Kubo , All rights reserved…..June, 2003

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