Sunday, November 22, 2009

27 イングリッシュ・ウェザー

 イギリスの天気と言えば?
「一日のうちにすべての天気を味わえる」とも「全部の天気を言っておけば、はずれない」
すなわち「晴れときどき、曇り、ところにより雨でしょう」これですべてが言い表せます。
 イギリス人との話題に事欠いたら「天気」を話題にすればいい。
 イギリス人としてはいけない話題は「天気」と「政治」。
 どこまでが真実でどこが間違いなのか、例によってこのわたしの記憶力と理解力ですから曲解しているところもあるやもしれません。
 さて、このごろのロンドンの天気は異常に暑いです。
 ここへ来て以来、けっこう涼しい(図々しいじゃないよ)夏を体験していたわたしは、いつになく、暑い熱い夏に遭遇しておりまする。例年7月と言っても過ごしやすい。気温は20度前後だし、夜になると涼しげだし、昼間でもけっこう長袖で大丈夫といった具合。8月になったらもう秋の気配?なんていう夏が多く、8月終わりのバンクホリデー(休日)ともなると「ああ、また今年も夏はなかったわね」なんてあの、蒸し暑い日本のなつぅ!蚊取線香と花火!、縁側のすいか!ってのにノスタルジアを感じたりしていました。(実際かれこれ七年は日本の夏に帰っておりませんから、わたしの毛穴なんぞは日本の夏モードには戻れないでしょうな、きっと)
 ところが。7月から異常に暑くなる。
 先々週の天気。
 月曜日 晴れ 最高気温 27度
 火曜日 晴れ 最高気温 28度
 水曜日 曇り 最高気温 20度
 木曜日 夕立、雷を伴う 最高気温 22度
 金曜日 晴れ 最高気温 27度
 土曜日 快晴 最高気温 29度
 日曜日 晴れ 最高気温 27度
 この、一日で28度から20度にぐぐっと落ち込むってのはどういうこと?確かに雨が降ったりすると肌寒い感じはする。
 先週も似たりよったり。
 その前は、一週目はけっこう、暑くてよかったのに翌週、がくんと20度台に落ち込み、肌寒さを感じたりして、あらもうこれで今年の夏は終わりかしら、なんて思いましたが、なんのなんの、また夏がやってきちゃいました。
 先週から30度の続く、珍しい暑さ。そらあ、日本の夏の比じゃないでしょうけどねえ、このロンドンにいて、これは夏ですよ。じっとしてるだけで汗がじわっとでてくる感触はほんと、ひさしぶりです。
 毎夏のように避暑(避寒かもしれない、ロンドンの寒空からだと)にニースに行く友人は、ことしはロンドンがいい天気で暑いから、南フランスに行かなくてもいいわ、なんて言っとりました。
 先週の木曜日なんて、ヨーロッパ各地の天気をみても、ダブリン以外20度台のところはなかった!ドイツやオランダも!ぜ~んぶ30度以上!!!!!!どうしちゃったんでせう。
 今週の予報 もっと熱くなるなる。
 月曜日 快晴 最高気温 30度
 火曜日 快晴 最高気温 34度
 水曜日 快晴 最高気温 34度
 木曜日 快晴 最高気温 32度
 金曜日 快晴 最高気温 32度
 土曜日 快晴 最高気温 36度
 日曜日 晴れ 最高気温 33度

 この快晴つづきの連続、30度以上連続つづくってのはほんと、めずらしいかも。
 暑くても、けっこう、風が吹くと心地よかったり、日陰に入るとほっとしたりするんですが、これはすごいかも。
 熱で鉄道が止まる?
 先週から、そういうニュースがイギリス各地から来ております。
 バーミンガムで、遅れがでた、列車のキャンセルがでた(まあ、いつものことなんであるが)。安全運転のため、スピードを落としているとかどうとか。暑いからってなんで速度をおとさなあかんねん?ようわかりません。
 先週も帰りがけに、通勤ラインの隣の地下鉄ラインが止まっていて、原因は信号不良とか言っておりましたが、家でニュースを聞くところによると、どうも暑さゆえらしい。
???
 そういえば排 21 セール&ザ・バーゲン・巻末おまけ情報つき巻末緊急レポートで
1月の終わりに豪雪(たって、30センチも積ってないのよん)のため、地下鉄が止まって雪氷の中、二時間近くかかって歩いて帰ったお話をしましたね。
 寒くても動かないし、暑くてもだめ。ようはどうしたってだめってこと?
 思うに、鉄道も地下鉄も機械で動かしているものなのですが、結局、その機械を使っているのは人間さまなので、暑さに耐えられないイギリスの人間さまはそれを言訳にしてるだけやないんかい!とわたしは怒りとともに思います。要はなんだかんだ文句つけては、働かないってことね。
 日本で暑いからどうの、寒いからなんの、なんてきりぎりすさんのようなこと言ってごらん、笑われるで。ほんまに。
 しかし昨日のニュースで判明したところによるとイギリスの鉄道のレールは最高35度までしか耐えられないような材料を使っているらしい。そのため、それ以上の温度になるとだめみたい。体感気温が35度だと、レールの温度は40何度とか言ってましたわ。しかしどういう基準で35度までの安普請にしたんや?最低耐寒温度も5度くらいらしく、1月みたいに零下になってしまうと途端にだめ。あ~なるほど、とへんに納得。
(平均的イギリス的夏以上に)暑いと困ること。
 地下鉄は冷房がない。車両に乗り込むとむぅっとする。
 バスも冷房がない。
 オフィスは(うちは)あるが、聞くところによると、ないところもあるそう。蒸し風呂。ですね。ほんとのサウナはいいんだけど。オフィスサウナは勘弁してほしい。
 この時期になると、突然地下鉄の中の壁面に登場するエアコンの設置会社のアニメ風の広告。溶けそうな電話を持っている秘書があついあつい、溶けちゃうわ、と訴えていて、かっこいいおたすけマン風の男性が颯爽と現れ「○○のエアコンを貴殿のオフィスにも!」なんて宣伝してるの。そんなにないところが多いという証でしょうなあ。
 レンタカー。
 車のことはようわかりませんが、仕事柄オートマかマニュアルか、エアコンありかなしか、はわかってないと仕事になりません。ヨーロッパはマニュアル車が多く、オートマは少ないし、費用も高くつくのですが、エアコンなしっつうのも多い。スペインなどに夏行くお客さんは必ず「エアコン、ついてますよね(このあたり、関西弁のイントネーションで)」と念をおされる。
 ホテルのエアコン。
 これまたしごとがらみ。ロンドン市内のけっこう有名チェーンの3☆(みつぼし)ホテルでも部屋に冷房がない、ということが多い。エアコンあり、というところでも、あるのはロビーだけで、部屋にはない、という場合もあるので要注意です。あ、へんな知恵つけちゃったかしらん。確認しないでね。わたしには。寒い国の常として、暖房設備がないということはまず、ないですが、冷房は、ないところが多いのですねえ。これが。
 そう、ふつうのイギリス的典型的平均的夏であれば、ふつうの空気で耐えられるというかそのままで過ごせるのです。快適に。エアコンなしでも。
 ついでに言っとくと、筆者、現在の仮(借り)の住まい、フラットは地階(日本でいう1階)で、北向きだし、昔のレンガ造りのヴィクトリアンハウスは涼しいんです。外が暑くても家に一歩入るとひやっとしていて温度差を感じます。今のところエアコンなくても十分わたしは部屋では生きていけるでしょう。ご心配なく。

2003年8月8日                
© Mizuho Kubo , All rights reserved…..August, 2003

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