Sunday, November 22, 2009

(archive) 番外編 まぐろの島から

 島シリーズ。

 5月はまぐろの季節。ってんでもないですが、イタリアはシチリアに行ってきました。逆三角形のシチリア島の西の端トラパーニから水中翼船で30分。まぐろの一本釣りで有名な島ファヴィニャーナに着きます。マッタンツァと呼ばれる収穫方法はイタリアでもここか、サルディニアの島でしかやってないらしく、珍しいそうです。追い込み、最後は一本釣りする、というドラマを「世界ウルルン滞在記」でやってたというのでDVD 借りて見ました。このまぐろはほとんど、日本に輸出されるそうですよ。まぐろって大きいんだあ。海のおとこの世界は体験できませなんだが、まぐろはしっかり食べました。食べた、食べた。で、4人で珍道中。5枚では書ききれないほど、いろんなことがあったけど、いまはいい思い出。と、ここで終わっちゃ何にも始まらんかあ。

 <コース概要>
 第一日目 飛行機でパレルモへ
 予定はパレルモ→(所要1時間20分)→エリーチェ→(所要20分)
  →トラパーニ(15時45分発のフェリーにのって1時間)
  →ファヴィニャーナ 泊

 空港でレンタカーを借り、目指すは高台の上にある世界遺産のエリーチェ。ランチが大目的だったのだが、ランチのみ達成した。それに「飛行機でパレルモへ」の9文字の出国するまでの前にはすっごいドラマがあったんや。でも詳しく書いてると何枚もついやすので省略。スタンステッドから朝6時の飛行機やからね。運転手のぞく3人は空港のホテルに前泊しました。そこから旅は始まっておるのだが。

 エリーチェで今回の旅行初日のイタリアン昼食に期待が高まり世界遺産の街をどう散策するか?でもフェリーの時間があるのでそうゆっくりもしてらんない。フェリーはこれをのがすと明日までないのよん。じぐざぐ山道をぐんぐんと標高をあげ、車は登っていき、運転手以外は海を臨む見晴らしの良い景色を右に左に満喫。着いたらけっこうなひと出。そう、今日は5月1日でヨーロッパは休日(イギリスはちゃうで)、駐車するところを見つけるのにひと苦労。やっとのことで止められたが時間もない。手っ取り早く目の前のレストランで妥協することに。食べるのが一番。妥協したわりにはおいしかったがサービスが遅い。けっこうな時間を費やし車に戻るとなぜかわたしが座っていた助手席側のタイヤがへこんでいる。わたしの体重のせいじゃないと思いたいが、動き出したとたんにパンク!!OMG.* 換えのタイヤはトランクにある、までは良かったが、交換できない。運転手も他のメンバーもみなかよわい乙女たち。どうやってこれ、換えるのよん。横で同僚とごちゃごちゃいいながら見ていた地元のおっちゃんに流し目で訴えるもなんともならない。力不足でまず、へこんだダイヤをはずすとこから断念。はずせんよ、これ。どうしたらいいの?頭の中はまっちろになっていた。フェリーの時間は迫るわ、どうしようもない。万事窮す!!とそこへ、スーパーマン登場。トランクに入っていた緊急用のちゃちいジャッキーをものともせず、体ごと体重をかけて、がしっがしっと、タイヤの留め金をはずし、新しいタイヤに交換し、また体重ごとがしっがしっと入れ換え。完了!お見事ぉ!!こんなん、やわ腕の女性ひとりじゃあ、でけんことや。前のタイヤより少し大きいからスピード出さずに行くんだよ、と言い残し去っていった。イタリア人じゃない感じだったが、わたしたちはサンキューとしか言えなかった。

 さて、この余分な時間を取り戻すべく、しかし、スピードは出せないので、フェリーに間に合うか、不安。イタリアやからなあ、きっと時間通りになんて出~へんで。ぎりぎり間に合えばえ~かも。ああ、でも港はどこ??トラパーニは大きい都会で、建物と道路しか見えん。やっと港に出るも、でかい。フェリー乗場はどこ?あれだ、で、どの船?これだ、4人がかりで見っけ~。あれ?船、動いてない?行ってもた。きっかり時間通り出発しとる。

 ああ、ショック。おいてけぼり。次のフェリーはないぜ。ど~する?大丈夫。フェリーはあれが最終やけど、水中翼船はまだまだある。でも車をど~する?どこに置くん??パンクのせいやねんから、レンタカー会社に行って車2日間おかしてもらおう!グッドアイデア!だったが、しかし、オフィスは休日で閉まってる。切符売り場のおばちゃんに聞くと、青い線さがして道路におきな。青い線のところは無料で駐車可。黄色の線は有料。シチリアで大丈夫かいな。盗まれたり、破損されたりしたら。。。。まあ、保険はフルで入ったし、覚悟決めようぜい。決断。休日で路上駐車の車はけっこう多くなかなか空きがない。うろうろ回ってなんとか店の前にスペースを見つけ、水中翼船に乗り込み一息。島まで行き着く。ファヴィニャーナの港から中心街とホテルは歩ける距離で、良かったね。置いてきたフィアットくんが心配だったけど、元気でいてくれ。

 この一日のなんと長かったことよ。朝4時起きですよってに。

 第2日 島でサイクリング


 ホテル(写真)は海のすぐそばだが、前はビーチではない。一番近くのビーチは約5キロ南。車があれば5分ほどで行けるのだろうが、トラパーニで涙の別れやったしぃ。5キロなら歩く派わたし。レンタルバイク派ひとり。これは自動車の免許がいるので二人乗りバイクを借りるしかないけど。レンタサイクル派ふたり。自転車乗るのがこわいわたし。足が地に着かないと怖い。実はママチャリにしか乗れないのだ。まちなかにはレンタサイクル屋がい~いっぱいある。うまく子供用ちゃりんこを見つけました。足届くから乗れるわ。行くわ。

 サイクリング。1日5ユーロのレンタル料を払い、連隊出発。風を切って海辺の道をすいすい行くのは気持ちがいい。途中から石じゃりの道になったがご愛嬌。これは車で行ってたら体験できない気持ちよさやでぇ。

 目指すは Cala Rossa写真)という岩場の海岸。水の色はどこまでも透明で青く、風も強かったけど。運動したあとはランチランチ。自転車やからわきへ離れてもレストラン見つけられるもんね。お宿になってるトラットリアを見つけ入ってみる。自転車を駐輪してると、宿泊なのか、食事なのか、聞かれ、別のカップルもちょうど同じときに入ってきた。お宿のひとは電話で6人よ、なんてシェフを呼んでるもよう。中に入ると、だだっぴろいがお客はだれもいない。こんなとこまで来るような客はいないんじゃ?ちょっと不安になる。やってきた若いおっちゃんを見てひとりが「あのひとがシェフだったらちょっと不安よね」でもそのあと、上品そうなマンマのおばあちゃんがやってきた。「彼女が料理するんだったらおいしいかも」うるさいわたしたち。恐れた通りメニューは口上、今日できるものを言われる。とはいえ、みなそれぞれにパスタを頼み、ビールを飲んで待っていると、甘エビをマリネしたものを持ってきてこれを前菜にどうか、と聞く。みたところ、半生で甘エビ刺身みたい!!えびがだめなのが若干一名いたが、無視して、いただくことに。ほんとにぷりぷりでおいしかったわぃ。

 第3日 移動 島からトラパーニ経由、マルサラ寄道パレルモへ


 
 日曜日なので、フェリーだと夕方の便しかなかったのだが、車をおいてきたので昼間の時間の水中翼船に乗れた。ゆっくりホテルで朝ごはんを取ったあと島とお別れして、船に乗り込む。港は小さいが、三輪駆動の魚屋さんがのきを並べ、たこ、とか、アンチョビとかを売っている(写真・右)。すてき。


 トラパーニで往復の切符を買ったので、わたしたちはすぐ乗れるのだが、なかなか船が来ない。切符売り場は長蛇の列。こんなときは船、遅れるんだよなあ、フェリーはきっちりしとったのに。やっと船がきたら、列、というものを知らないイタリア人たちなので、降りるひとも待たずに、だんごのようになって我先に乗り込むのだった。満員電車状態よ!
 降りるときも急がないんだけど、気があせりますぅ。ああ、フィアットくん、無事でいますように。あった、あった、あった。ちゃんといた。傷つけられもせず。涙の再会。よくぞご無事で。

 安心したあとは、時間があるので、ついでにマルサラに行ってお昼しよ~ぜ、ということで行きます。しかし、日曜日で、街は静か。急に思いついて行ったのでいいレストランも探してる暇なし。町はずれのワイン倉になっているような立派なホテルがあったのでそのレストランならよさそう、と思ったが、結婚式をやっているようで、ふつうの人は入れない。またまた、行き当たりばったりでセルフのようなところで食べたが、これまた大まる。安かったしねえ。


 さて今夜のお泊り、パレルモは大都会。ホテルは港に近いのだが、高速を降りるとさて、どっからどう入っていいのか、地図を見てもわかんない。それどころか、車線はあってないようなもの。大陸の運転に慣れてるはずのさすがの運転手もひじょーに怖がる。車は右からも左からも来るしオートバイはどんどん曲がってくるし、信号で停まれば車の洗車を押し売りにくるやからとか、花売りにくるやからやら。横断歩道でないとこで渡ってくるひともいるし。。。だんご状態。やっとの思いでホテル到着。車は明朝返すので今夜はホテル契約の駐車場に止めないといけません。が、これまたひと苦労。駐車場はホテルのつい目と鼻の先なのだが、一方通行のため、ぐるりんと遠回りしてたどり着く。このたかだか50メートルほどの距離を、ぐるぐる~一方通行をぐるぐる~!3回くらいまわりましたわよん。え?だれがナビゲータやってたかって?わたしよ、わたし。

第4日 パレルモ観光


 無事フィアットくんをお返ししたあとは、徒歩で市内観光へ。
 ホテルで寝てるとおっしゃっていた方がツアーリーダーになり、観光しました。パレルモはその歴史からノルマン・アラブとゴシックいろんな建築様式がまざりあっている不思議な町です。建物や美術館は午前中しか開いてないとこが多いので、早起きして早く回らねば、レストランかカフェで飲み食いしてるだけ、といういつもの結末になりかねません。


 本日の一番のめだま、ノルマン人宮殿内のパラティナ聖堂(写真)は11時45分で閉まるから急がなきゃ。モザイクの宝庫です(写真)(写真)(写真)と。天井画も壁も床まですべてモザイクだらけ。うつくしい。。。




 ひとときの感動のあとは大聖堂(写真)を素通りして、マーケットへ。屋台の出る昔ながらの市場。野菜から肉から、いろんなものがそろうよ。旅行に来て市場に行くひとも珍しいと言われたが、野菜を買うのが趣味?なやつがいまして。トマトにエンド豆にほうれん草まで買ってたなあ。肉屋でパンチェッタもスライスしてもらい。。。イタリアのがやっぱおいしいからって。わたしも便乗しましたが。シチリアだけあって、まぐろのからすみをすりおろして粉末になったのだけを計売りしてるおじちゃんもいました。けっこう値が張るんだけど、この方、それだけを日々の糧になさっているのだろうか。あとチーズ屋さんとか、ハーブやスパイスだけを売ってる店とか。



 映画ゴッドファーザーにもでてきた、シチリア屈指のオペラ座マッシモ劇場(写真)を写真ストップしてホテルへ戻りました。そう、この期間何もやってなかったのよね。政府関係の集まりがあって、中にも入れなかったし。残念。

 第5日 パレルモからイギリスへ

 飛行機が午前中の便なので、今日はほとんど空港へ行って帰国の途に着くだけ。ホテルからバスでたらたら行く派2名、タクシですっとばす派2名。すったもんだのとっくみあいののち(うそうそ)タクシで行きました。ホテルからパレルモの雑踏を出るまでにスリリングなできごとが。今日はイタリアはふつーの月曜日。通勤時間にぶちあたるとやだなあ。運ちゃんが大きく右にまがったと思ったら、まんまえからバイクの大群が!ふえ~これって、車線間違えてない?反対方向に行ってない?叫ぶ4人。運ちゃんは何事もなかったのようにハンドル切って通常運転。バイクって、ほんとくせもんや。

 イタリア人って運転うまいのね、とへんなとこで感心。うまくなきゃ、あんな車線があってもないに等しいようなところで無事に運転でけへんで。という結論。なにせ何事にも列、順番、という観念がないとみた。入国審査しかり、切符売り場、乗船の折、などなど。要は早いもん勝ち。でたもの勝負。自己主張必須。どうしょう、この癖がついて出てしもたら。イギリスで。

 スタンステッドに到着し、入国審査でまた思い出の話はあるとしても無事帰り着きました。。。とここで終わらず、3人はそのあとニューモルデンにも行ったのさ。ここはロンドン近郊の韓国タウンと呼ばれるところで、韓国料理店やお惣菜店が軒を並べております。スーパーで日本食も売ってます。イタリアで野菜まで買ったひとが今度はアジアの食材を買いにも行きます。
 韓国料理で遅いランチならぬ早目のディナー。イタリアに行ったあと韓国にまで行けて満足。パスタは毎日食べても飽きなかったけど、やっぱごはんのこういう料理よねえ。なんて。ほっと一息。


筆者注> OMG.* OH MY GOD!!

<おまけ> でないわけないだろ食べ物編
 やはり、島だけあって、シーフード。
 パスタはフジリのようなねじれて短めのやつ。
 代表はまぐろのからすみパスタ。うにのパスタ。パスタ・ファヴィニャーナ風(南らしくチリが効いてる)。何がエリーチェ風か忘れたが、これもおいしかった。いわしのパスタ。シーフードパスタ。ムール貝のトマト煮込み!
 スモークしたまぐろ。ちと塩辛いけど。
 ケイパー、ピスタチオ、ガーリックと。
 ワインはやはりシーフードに合う白。
 メーカーではプラネタやクスマーノっつうのが有名?
 ぶどうはカタッラット、インゾリア、グリッロ。
 いろんな種類があるようです。
 (ワイン詳しいひとがいるからちょっと緊張)
 すっきりとして、フルーティ。こくもあり、飲みやすいです。

 ここんとこ、ウエブアルバムエッセイと化してますが、、、まあええか。

  ウエブアルバム シチリア ←集約してます、まあ見たってちょーだい

 サイクリングの写真はないのよ。ごめんね。

はい、旅行はイギリスの休日を利用しての、5月1日から5日まで4泊5日でした。


2009年5月27日            
© Mizuho Kubo , All rights reserved…..…..May, 2009

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