Sunday, June 6, 2010

番外編 エトナ山登頂記


表紙 雪渓をわたり、山頂をめざす!

◎1日目 5月28日(金)

 朝7時半 ヒースロー空港集合。リーダーが最後といういきなりどじっちゃったんですけど、これにはわけがある!バス始発でメイドンヘッドから到着するのはセントラル・バス・ステーション。
ターミナル1-3なんです。そこから4へは列車しかない。列車の時間も調べていったのにもかかわらず、1-3に着いたら右と左、どっちのプラットフォームかわかんない。一旦乗った列車を降りて反対側のプラットフォームへ。よかった。乗ってたらロンドンへ行ってた。が、プラットフォームに渡ったと同時に向かい側の列車は出発。あと2秒なところでしたが。。。次の列車はターミナル5行きで、4へはさらに15分待ち!!!シャトル列車と言うならせめて5分おきにしてくれへんかなあ。ま、言い訳はこれくらいにして。ターミナル4や5へ行く場合は皆様ご注意。
 フライトは9時半でシチリア・カターニャに向け離陸!ミラノで乗換えてほとんど一日仕事です。定刻通り(午後3時すぎ)に飛行機は到着し、前日から現地入りしていた2人と合流。まずレンタカーをピックアップに行きます。マニュアル2台、オートマ1台の合計3台に分かれて出発。空港を出るところがわかりづらく、迷いに迷いながら聞きまくり、モーターウェイに入るまで同じところを3回くらい周ったのち、今日はカターニャで終わってしまうのではないか、と案じましたが E45 からA18 (一部有料道路)に入り Fiumefreddo で高速を降り、ここからS120 を西へ。2時間くらいかかって宿泊先のアグリツーリズモ・エトナ・ワイン (Passopisciaro) に到着。

背景にエトナ山を望む

 ここはワイナリーでもあり、ワインを造っています。広い敷地内に、レストラン、レセプション、宿泊のアパートなどの建物が点在しています。6部屋取りましたが、一番大きなキッチン付のアパートを朝食会場に設定。明日からの朝食材料・水などの買出しに近くのスーパーへ。宿のご主人が車で連れていってくださいました。水に、明日からの朝食のパンやハム・チーズ類、ヨーグルトなどを買い込みます。
 日本からの2人ははるばる、ローマ経由、カターニャまでお越しになりました。ほとんど日付が変わる前に到着しこれで13人揃いました。明日はいよいよエトナ登頂です。

左から)井戸 レセプションの建物 部屋の中の梁



◎2日目 5月29日(土)

 天候 晴れ。雲は少しあるが、良い天気になりそうです。早朝は風がひんやりしています。

(左)の地図で言うと、上真中から、右へまっすぐ右端で南に下がり、真中くらいまで、コの字型に動きました。


 朝7時半連隊出発。
昨日と同じ、道路S120 をたどり、ケーブルカー乗場を目指します。途中Linguaglossa から山道に入るところで迷いZafferana Etneaまで来たところで約束の9時15分前。ガイドに連絡すると、ここからはあとまだ40分くらいかかるとのこと。





ケーブルカー切符

 右へ左へまがる急勾配の山道を辿りながらやっと 9時30分 Rifugio Sapienza (1910m) 到着。賢者(知恵)の避難所って意味。ここからケーブルカーに乗ります。カフェや駐車場がありエトナ登山への一大拠点になっています。カターニャ登山会 (CAI) からガイドさん4人同行。ケーブルカーと四輪駆動(4WD, Jeep)を使うこともできるが、ケーブルカーを降りたら自分たちの足で歩くことにします。メールでやりとりしてくれたルイジさんではなく、そのお父さんのジュゼッペさんが先頭に立って案内してくれました。あとはクラウディオという英語のしゃべれる通訳案内、フランコ、あと一人名前忘れてしまいました。ごめんなさい。

 10時10分 乗車。スキー場にあるような、ケーブルカーというよりは、ロープウェイのような6人乗りの小さなもの。15分で終点へ。下を見るとまだまだ雪も残っているのが見受けられます。


登山靴や上着も終点で貸してくれる
靴貸料 2ユーロ



 ケーブル終点(2600m)にはミニバスくらいの大きい四駆が待っていますが、わたしたちは歩きましょう。モンタニョーレや過去2001年、2005年と、何度かの噴火でできた山々を見ながら溶岩黒い地面を砂ぼこりをあげながら歩きます。ほとんど岩と砂で、植物は何も生えておりません。砂原のようなところと、溶岩が流れ出た軽石のような岩の残るところなどを歩きます。上に行くとどんどん気温は下がって行き、やはり冬の装備が必要です。



さあ、出発!











月面着陸?




白銀と?黒の世界



エトナ銀座?





雪は凍っておらず、さくさくカキ氷状態

 12時半ころ、四駆の終点、避難所でもあるTorre del Filosofo (哲学の塔 2900m)到着。おなかすいたよ、ランチ休憩しよ~よ、と言うが健脚ガイドはもう少し行って展望のいいところで休憩と言います。雪渓や溶岩の上を歩き、さらに1時間、やっと見晴らしのいいランチ休憩。

 各自用意したサンドイッチやパンでランチ。クラウディオがくれたペコリーノチーズがおいしかった。お菓子を回したりして、和気藹々。




(後日談)なるべく食べるのを先に延ばした理由がわかる気がする。食べちゃうと重くて歩けないのよね。でも、硫黄のただよう山頂では食べれなかったであろうし。


 まだまだあとも長いので、ゆっくりはしてられません。ここから急勾配が続きます。
 午後2時。ついに硫黄臭のただよう、山頂付近のクレーターの一角である Bocca Nuova (Bocca くち、Nuova 新しい=新火口) に到着!3250m!!! クレーターは4つあり、ガイドは全部連れて行きたかったようですが、ここですでにわたしたちは疲労こんぱい。ひとりが高山病にかかり、これ以上は無理。降りることにします。乗場で用意してくれたマスクをしても、硫黄臭は鼻に入ってくるし、目も痛い。だだっぴろい硫黄河原、岩も黄色くなっていて、別府温泉なんとか地獄みたいです。風も強く、記念集合写真を撮りましたが、ガイドのくれた、カターニャ登山会記念三角バナーの外身のビニール・カバー袋をクレーターの底に飛ばしてしまいました。びゅん!あっというま。
 三角バナーは無事なのでご安心あれ。うしろに4人の名前を書いてくれたんだよね。いまだひとり名前不明。



My Tube エトナ地獄」←クリックしてね は up しました。







 けむりもくもく、風ひゅんひゅんの中、降りるのもまたひと苦労。雪渓、砂地、斜面、高度差もあります。四駆の乗場まできて、高山病のメンバーは車で下山することに。ほかのメンバーも車を使うかどうするか、で迷いましたが、ここから歩いても2時間だというので、せっかくだし歩くことにしました。広大なクレーターをいくつか見せてもらい、絶壁のようなところは片側落ちそうで、きょわっ。急降下の砂地は自分の両足をスキー板のように使って、ずるずる降りていくという感じで、高さのある、砂浜という雰囲気。若者たちは楽しんでましたが、わたしはけっこう辛かったぁ。2時間くらいずるずるしてたんじゃないかなあ。翌日筋肉痛。階段降りるとつらい。なさけなや。スノーボードに乗って滑って降りれそうでしたけどね。それもこわいかも。

 17時40分、Rifugio Sapienza に戻ってきました。火山灰雲の中を歩いたかのように、汗をふくと、タオルがまっくろ。耳の後ろまで砂だらけ。髪の毛ばりばり。リュックも上着もニッカも砂だらけ。登山靴の中まで、黒い細かな砂だらけでした。しかしよく歩いた。よく登ってまたよく降りた。




まだまだある、クレーター、絶景、雪渓、斜面くだり








(右)ガイドのジュゼッペさん

 ガイドさんたちはお礼のチップもがんとして受け取らず、恐縮してしまいました。ぼくたちはボランティアだからって。えらいなあ。エトナが好きで、自分の仕事・郷土の山に誇りを持っているんだなあ、と思います。シチリア魂!山男いよ、って感じ?

不思議な高山植物?


この一番上から滑り降りてきました。ひゅぅぅ~。


特別付録 地図で見るエトナ周辺とエトナ山





3段階でこんなに登ったんだぞい。
Rifugio Sapienza (1910m)
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ケーブル終点(2600m)
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Torre del Filosofo (哲学の塔 2900m)
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Bocca Nuova (新火口)!3250m!!!




 以下は次のタオルミナ編とシラクーサ編にて、写真もいれ、より詳しく公開。

◎3日目 5月30日(日)

 自由行動日ですが、みなでタオルミナに行くことに。昨日よりは少し気温が低いかな、と思ったけど、昼間はけっこうあったかかったです。
 9時半またまた連隊にて出発。11時前に、カポ(岬)・タオルミナのホテルの前の無料の駐車スペースに車をおいて「イゾラ・ベッラ 美し島」まで車道を歩きます。しばらく島を散策したあと、山の上のタオルミナ市街まで歩くことに。ここもケーブルカーがあるのですが、歩く会だからね、みな、歩けるのよ。足で歩く!急勾配の階段が続いているが、登りきると絶景の見晴らし。さきほどまでいた島や、海岸線も眼下に見えます。大きなクルーズ船が沖合いに「浮いて」おります。タオルミナの一大ハイ・ストリート「ウンベルト1世通り」へ入る門のところで、解散して自由行動。

 夜は4年前に見つけたシーフードのおいしいレストランで食事。名前もうろ覚えで、グーグルで調べたのにぜんぜん違うところに場所が設定されてて、予約はしたものの、あせりまくり。おちをつくらねばいかんという大阪人でもないのだろうが。見つかってよかった。思い出してよかった。

◎4日目 5月31日(月)

 最終日。8時宿出発。日本へ帰るメンバーは出発が早いので、みなで空港へ行って見送ります。10時チェックイン。その後、ロンドン組は時間があるので、近くのスーパーにおみやげ買出しに行ったり、ビーチ沿いでランチをしたり、車を返すまで自由行動。13時半、レンタカーを返し、チェックイン。
 皆、無事に夕刻ロンドン到着。お疲れ様でした。無事、たいした問題もなく、事故や大きい病気もなく、リーダーを努めさせていただけたのもみなさんのおかげ。良い旅になりました。高山病のメンバーも心配したけど、高山病だから、ほら、降りたらけろっとしてるの。久々の高い山、手ごたえのある登り、ひざ笑う滑下り、楽しい旅行でした。

 みなを送り出したあとわたしは南へ、単身シラクーサへ向かい、さらに旅を続けます。珍道中の詳細はシラクーサ編にて。


おまけ>
(右)宿の敷地内で取れた?さくらんぼ。小さいけど甘かった。
宿のエトナワインもなかなかおいしかったですぅ。産地直送、いやそのままやねえ。







  © Mizuho Kubo , All rights reserved…..…..June, 2010

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