Sunday, November 22, 2009

56 オリンピックの新ロゴ談義

 ロンドン2012年のオリンピック。新しいロゴが発表されました。
    これなんですけど(画像が見えない場合は上のリンク からご覧ください)













 色はみどり、とか青のバージョンもございます。
 世界の「若いグーグルgoogle世代」にアピールすべく、モダンで躍動的でヴィヴィッドなダイナミックさを表現した、ということです。
 今後2012年まで、ロンドンオリンピックを進めていく上でキーとなるべき、ロゴ。ユニフォームから、マスコットから、オリンピックグッズから、すべてにこのロゴが入ることになるのです。
 これが巷では喧喧諤諤。
 -ただの「落書き」みたい
 -小学生だってこれより良いものをつくれる
 -どこにも「ロンドンらしさ」がない
 -ひどい terrible, horrible
 -まんがみたい
 -ジグゾーパズル?
 -美しくない
 この「壁の落書き」ってのは、集合住宅や、線路沿いにバカ者たちがペンキとかで書く象形文字みたいなの。丸くなってたり、塗りつぶしてあったりする、あれです。区役所は道路沿いの塀などの落書きをきれいにするのにお金がかかっています。消しても消しても落書きするやつらがいるの。
 テレビのニュースではロゴが出た途端にレポーターが小学校に行って、このロゴを見せ「これ、どう思う?これよりいいものを作れる?」
 で、みなおのおの色鉛筆とかを駆使して自分のデザインを書き出す。小学生でありながら「もっと、オリンピックらしさがいるよな」なんて言う子供もいたりしておもしろい。
 国会議員やロンドン市長までが「違うものに変えるべきだ」
 40万ポンドかけて作ったのに、ひどい言われようです。このロゴでオリンピック運営資金を得るため、一般のスポンサー集めを展開していかねばならんのです、委員会は。メディアはメディアで、これを一般市民とかに聞いてどう思うか、って討論会までしてる。わたしの感覚だと、おかみが作ったものは素直に、はい、って受け入れないといけない、と思うのに、これがイギリスでしょうね。
 どう思うか?
 これよりいいものをあなたは作れますか?とか。
 ご意見はメールで受け付けます、ってやってるの。でも万人受けするロゴってないだろうし、だれにでも合うようにつくるのがロゴじゃないだろうし。確かにデザイン的に「洗練された」という感はないですけどね。
 今までの歴代オリンピックのロゴまでひっぱってきて、さあ、比較ってんですか?
 確かに1948年のロンドンオリンピックのロゴと比べればすごぉいモダン。わかりにっくい、ったらわかりにくい。ロンドンらしさがない、っつうたら、そのとおり。
 一般市民の意見はほとんどがネガティブで、悪いものが多かったようです。たまに、委員長が言うように「躍動感にあふれていてすごくいい」とか、「目をひく」というひともいます。
 「はじめはええーっと思ったけど、1日たったら、これもいいんじゃないか、と思ったよ」なんて言うひとも。新しいものは定着するまで時間がかかるっていう見本でしょうか?
 来る2008年の北京オリンピックのロゴは見ましたか?わたしから見ると北京の「京」の漢字をひとにたとえて、走っているもしくは運動している選手に見えるけど、これって、漢字文化のひとにしかわからんのでは?でもデザイン的にはわかりやすい、と言えるでしょう。
 さあ、どうするんだろ。いまさら変えて無駄に費用をついやすわけに行かないだろうけれど。でも、発表するまでに委員会で討論したんでしょうなあ。ほかのひとの意見も聞き、発表にいたったんだろうにねえ。
 イギリスって、古いものをかたくなに守る反面、新しいものを突然ぴっと取り入れるという面もあり、これまた不思議で面白いですね。

2007年6月7日                    
© Mizuho Kubo , All rights reserved…..June, 2007

No comments:

Post a Comment

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...